2018年7月9日月曜日

禍福はあざなえる縄のごとし

昨夜の楽しい余韻で今朝は少し寝過ごした。
体のメンテナンスに整体を受けていたら携帯の着信音。
施術の途中で集中している整体師は耳が少し遠くて、着信音は聞こえないらしい。
終了後記録を見ると、昨日のパーティーの主催者Y子さんからだった。

昨日のお礼を言い合って、さて、話題が変わると・・・家政婦のNさんの訃報を聞いた。
Y子さんの家に行くと、Nさんは控えめに歓迎の挨拶をしてくれる。
いつも出しゃばらず品の良い対応。
私はずいぶんお世話になった。
本当に行き届いた気配りで、度々問題を起こす私をフォロー。

冬、Y子さんのお宅でのサロンコンサートで、乾燥し過ぎを防ぐため加湿器を持参した。
そして加湿機を忘れて帰ってきた。
次のときに加湿機を受け取ったら、ものすごくきれいになって新品同様。
Nさんが精魂込めて磨き上げていた。
網の目のようになった所の中まできれい。
いったいどうやったらこんなにきれいになるのかしらと感心した。
これぞ家事のプロフェッショナル。
暑い夏の日、熱中症でフラフラになって行ったら、水分の補給の世話。
本番前にお腹が空くのではと、あるときには軽いパンやお菓子の用意。

先日帽子を忘れて帰った。
するとY子さんの指示で、Nさんから帽子が送られてきた。
Nさんの自宅電話が書いてあったので電話でお礼を言うと、ひどく恐縮している。
郵便局でレターパックを出すときに電話番号を書いてくださいと言われて、慌てて自宅の電話を書いてしまい、出過ぎたことでと謝られた。
いつもお世話になっているのだから、たまには私にお礼を言わせてほしい。

昨日帝国ホテルでY子さんがちょっと屈託ありげにしていた。
Nさんが来ないという。
Nさんは前日ホテルの写真の展示を手伝ったそうで、時間や場所を間違えるはずはないとのこと。
私にNさんからなにか連絡はないかと。
電話はつながらないし、絶対に連絡無しで休む人ではないから事故にでも遭ったのではと、顔色がすぐれない。
けれど盛大に会場は盛り上がって、Nさんのことはひとまずおいた。
会は大成功で皆さんお料理も音楽も堪能してお帰りになった。
けれど、やはりNさんは最後まで現れなかった。
今朝真っ先に思ったのはNさんはどうしたのかしら?だった。
後で電話して訊いてみよう。

結局連絡を受けた警察がNさんの自宅で発見した。
Y子さんのお父様が亡くなったとき、Nさんが辞めずにずっと働いてくれることになったけれど、お父様が亡くなってちょうど1年目。
きっとお父様が「娘の面倒だけでなく、僕の面倒も見に来てよ」とおっしゃって連れて行ってしまったのねとY子さんと話した。
Y子さんのショックはお父様に続いてなので倍増。

家事をするだけではなく心の支えとなっていたNさんをなくして、Y子さんは本当に寂しい思いをしていることと思う。
Y子さんがご両親の大きな愛に育まれていた様子は、ホテルの控室に飾った写真から十分に見て取れる。
ご両親が亡くなってからはNさんと暮らしていくはずだった。
「私ひとりぼっちになってしまいました」とY子さん。
たとえ私達がY子さんをサポートしてもNさんには及ばない。
NさんもY子さんのことを心配していると思うけれど、Y子さんは稀に見る有能な人だから、しっかりと生きていけるとは思うものの。
なんだか身内を失ったような気持ちで、次にあのお宅に伺ってもNさんに会えないんだなあと寂しい。
なんだかんだ言ってもちゃんと帳尻が合うようになっている。
昨日は晴天、今日は雨、しばらく薄曇り・・・全体で一つの宇宙。
















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