2019年10月13日日曜日

無事ですよ

いろいろなところから無事かえ?とメールやらなんやら。
はい、だいじょうぶ、家の前の川はちゃんとコントロールされているから。

夜中に流石に心配で窓を開けて覗いたら、始めは水位が上がっていったのが、暴風雨のさなかには少しだけ水位が下がっていた。
川の底の更に下に巨大な管が埋められていて、そこを増水した水が通っていくらしい。
どこかのバルブかなにかを開けてくれたか、自分でコントロールできる仕組みなのかはわからない。

この川というか用水路は、私が子供の頃には毎年氾濫した。
川沿いの家は洪水が起こるたびに、畳を上げたり家具を外に出したり大変だった。
私の実家は土盛りがしてあって、毎年周りが水没すると避難所になっていた。
水の中にぽつんと一軒家みたいに浮かんで、そこに近隣の人たちがボートでやってきた。
近所のおばさんたちがうちの大釜で炊いたご飯でおにぎりを作る。
握りながらの噂話。
支給された救援物資の毛布を、誰それさんは2枚取っていたとか・・・
おにぎりを何回も取りに来て、とか・・・
そんなこと言わなくてもと、無事な身の私は考えた。
近所の市営住宅の人たちは、1階が水に浸かって気の毒なのにと。

たしかにそういうときにずるく立ち回る人がいるかもしれない。
当時は戦後で国民が皆貧しいときだったから、我が家でもたくさんのお米を消費するのは生活に響く。
けれど、私の父が無類のお人好しで、そんなときも母の無言の圧力をものともせず大盤振る舞いする。
母は自分の子供達で手一杯なのに、父のせいで更に家計が苦しくなることをいつも嘆いていた。
母はそのためにえらく苦労したと思う。
それで子どもたちは全員母の味方となった。
私は随分父から可愛がられていたけれど、それでも母にベッタリで、父は寂しかったと思う。

情けは人のためならず、父は亡くなるまで近所の人たちから慕われていた。
地域に街頭を設置したり、家の前の雨水管などのことも父も奔走したのかも。
いつも水かさが増すと近所の人からなんとかしてと言われる。
うちは消防でも警察でもないのに。
それでも夜カッパを着て、何処かへでかけていった。
それでうまく持ち上げられて、地域のためにお金を使う。
先祖代々の資産はおかげでほとんど失くなってしまった。
その陰には母の涙と恨みがあることを本人は知ってか知らずか、いい気なものだった。
96歳で自宅のソファでテレビを見ながら大往生、眠るように逝った。

昨日川の水を見て考えた。
父は家族には良くなかったけれど、地域のために尽くしたので偉かったのかな。
男の人は大きなことを考える。
家族単位でなく社会全体のことを。
誰か1人は理解してあげないと父が可哀想。

昨日夜中に停電している地域の人から、車の中でスマホに充電しているとショートメールがきた。
お母さんが軽い認知症。
停電で暗いから母が機嫌悪くて困っていると。
言い聞かせてもわからないので、今夜は眠れそうもない、と。
ああ、こういう問題も起きてくるのか。
介護の苦労は計り知れない。

今朝は台風一過、凄まじい嵐が通り過ぎると明るい空が広がる。
私の激動の日々は過ぎたようだ。
色々あったけれど、気を取り直して生きていこう。
体はすっかり疲れてしまったけれど、気分は小学生。
ちょっと戻りすぎ?
そのうち幼稚園児になるから、皆さんよろしく!









4 件のコメント:

  1. よかった!ご無事で何より。

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  2. そちらもだいじょうぶでしたか?
    停電している地域が心配ですが、スマホの充電もままならないと思うので連絡していいものかどうか。

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  3. nekotama様
    うちのあたり、台風は大丈夫です。
    それより、あまりレスできなくてすみません。なにせ今の職場、腕時計もしていけないくらいセキュリティが厳しいのです。
    (カメラ付きの腕時計があるので) 
    また演奏聴きに行かせていただきますので、よろしくお願いいたします。

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  4. 腕時計がいけない?
    nyarcilさまは秘密諜報部員?
    007の世界でお仕事なさっているとか?
    カッコイイ!妄想が広がります。
    先日はお恥ずかしい出来でしたので、次回聴いていただくときはがんばります。

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