昨日の夜中に聞いたシェリングの演奏でようやくヴァイオリンをもう一度弾いて見ようかと思って、今日は少し練習を始めた。
思ったより手は固くなっていない。これならもうしばらくコンサートもできるかな?なんて儚い望みを抱いてしまう。雀百まで踊りを忘れずとはこのこと。赤い靴を履いてしまった少女の様に死ぬまで弾き続けないといけないのか。 やれやれ。
今日も一日穏やかな日が続く。天気予報では来週も殆ど晴れるようなのだ。今年コロナに痛めつけられた代わりに神様がくれた太陽の恵みかもしれない、恵まれすぎてどこもかしこも暑そうで、人類は地球上でいつまで生存できるのだろうかと心配になる。けれど考えても仕方がない。われわれが快適さを追い求めるあまりに自然の体系を壊した結果かもしれないのだから。
北軽井沢は湿度が高いから雨がふらないとホッとする。去年のフェスティヴァルコンサートでは、あまりの湿度に私の楽器は膠が剥がれて鼻が詰まったような音になってしまった。慌てて楽器やさんで修理と調整をしてもらった。ヴァイオリンに限らず弦楽器の修理や調整代は高い。非常に緻密な作業、腕の善し悪しで楽器のなり方が違うので、自分の気に入った音を作ってくれる職人さんを探すのに苦労する。
北軽井沢の家に楽器用の乾燥機を入れた。先程久々にヴァイオリンを弾いてみたら湿度調整はうまくいったらしく、とても乾いたいい音がする。
このへんではエアコンを付けている家は滅多にないので、はじめエアコンを付けてほしいと言ったら電気やさんが必要無いという。除湿機だけで十分ですと。多分エアコンをつけるとなるとずっと費用がかさむから親心でそう言ってくれたのだと思う。けれどやはりエアコンだったなあと思ったのは室温が上がってしまうことなのだ。音を出すから窓が開けられない。いくら涼しい北軽井沢でも窓を閉めて風が来ないと暑い!
それで除湿室を諦めて居間で練習することにした。この部屋は木造りの響きの良い部屋で、この音が出せるから私はこの家が好きなのだ。持参した楽譜は3冊。
その中のバッハのソナタの最初から弾き始めて約30分経ったころ、足が攣った。体に拒否された。元に戻すには道は遠い。
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