2020年8月12日水曜日

森は街になってしまった

暑さを逃れて北軽井沢に来たつもりが 、こちらも暑い。

今朝4時、目が覚めた。昨日から荷物は車に積んである。あとは冷蔵庫の冷凍食品と猫を積めば準備完了。4時30分家を出ようとしたら駐車所に野良がいて飯よこせという。

しばらく他のお家でご飯もらってね。野良たちはいつでも餌にありつけるように保険がかかっている。彼らは何軒かの家を巡回して飢えないようにシステム化しているのだ。ときに私は寝坊して朝食時間に間に合わないときには他の家でもらうらしく、ごめんごめんと言いながら餌をやってもあまり食べない。まあ、せっかくだからいただきましょうかとほんのちょっと口をつける。旅行などで家をあけるときにも安心して出かけられる。

以前はうちの上の階の猫好きさんや姉に頼んだり、近所の人に頼んだり。気になって仕方がなかった。でも一度誰にも頼まず出かけたら、何ということもなく艶々丸々として元気だったので、それ以来野良の餌確保能力に任せることにした。

4時30分出発、3時間半ほどで森に到着。

流石に人気はないものの車がいつもの何倍か止まっている。いつものあそこの家も、今まで人がいるのを見たこともないあの家も、今年の森はにぎやか。いつも森に到着すると木々の発散するフィトンチッドを胸いっぱい吸い込む。ああ、気持ちがいい。

気温は例年よりも高いようだ。珍しく太陽が照っている。ここはいつも雨や曇天でカラッとしていたことがない。だからこんなに木々が育つ。流石に早起きと休み無しの運転で疲れたのでちょっと横になったらあっという間に眠ってしまった。猫はと言えばもはや勝手知ったる自分の家、スタスタと餌場に直行。いつもの倍くらいよく食べる。かなりの高齢猫なのに、こちらに来るとベッドからベッドへとひらりと飛んだのにはびっくりした。

お隣さんは夏の間はずっと滞在しているから、何かとお世話になっている。今日も野菜を買いに行くと言ったら、トマトやきゅうりを持ってきてくれた。それでも足りない分は近所の農園の直売所に買いに行った。先々月来たときに友人が一緒についてきて、あまりの安さと新鮮さに感激して野菜を買い込んでいった。彼女は軽井沢の人なので美味しい野菜は高級スーパーで手に入れられると思うけれど、畑からじかにとれたてを見せられてはイチコロというわけ。ここは嬬恋キャベツの産地なのだ。

夕方時々遠くで雷鳴が聞こえる中、散歩にでかけた。まあ、驚いた、人がいる。

いつ来てもこの森で人に出会うことは滅多になかった。ところが今回は何組もの家族に出会った。にぎやかな子供の声が聞こえる。道でバドミントンをしている兄弟がいる。最初に出会って挨拶をしたご夫婦は、どうやら森を逆周りに回っていたらしく、帰り道でもすれ違った。ああ、先程のとご主人が言い、奥さんはニコニコしている。こんなことはいままで一度もなかった。たとえシーズン中でも殆ど人に会わなかったのに、今年は皆さん暑さを避けてきているようだ。

森では家に明かりが灯ることはあまりなかった。いつも静かで持ち主を見かけることのない家が並んでいるばかり。それなのに今年の森は街の賑わいを見せている。おやおや、人混みを避けたつもりだったのに、皆さん同じ思いだったのか。それでも都会とは比べ様が無いほどの人の数。この際東京も人口をなんとか減らす方向に持っていかないと、地震や災害、感染症などの対策が難しいのでは?

今年は冬まで住んでみたい。雪と氷に覆われて寒々と人気のない森はどれほど素敵かしら、でも恐ろしく寂しくて耐えられないかもしれない。クマが冬眠するから安心して出かけられるというメリットはあるけれど。シンとした音のない世界、いちど体験してみようと思っている。

今回来てよかったと思ったのは咳が全く出ないこと。自宅では毎日ステロイド吸入、それでも朝晩の気温の変わり目に軽くコンコンと出るのが、吸入を忘れてもなんの症状もない。ほんとに全く出ない。これはいったいどうして?たぶんハウスダストやエアコンの風に反応してのこと、だったらここに引っ越してくればステロイドはやめられるかも。








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