チェロの藤沢さんとは長いお付き合い。「古典音楽協会」でずっと一緒だったが、彼のリサイタルと「古典」の定期の日程が度々重なってしまい、出演出来ないことに責任を感じて「古典」をやめてしまった。けれど、その後も時々は顔を合わせることがあって、コンサートの案内が来るのを楽しみにしていた。
ピアノは高橋恭子さん。
ベートーヴェン「ソナタ4番」
ボッケリーニ「ソナタ7番」
ショパン「ソナタ」
ポッパー 「コンサートポロネーズ」
今日のプログラムは「奏鳴曲」と言うタイトルの通り、ソナタが主役。ピアノの高橋さんとは何回も共演しているので息もぴったり。聞いていて破たんがない。常に一緒に歩んでいる感じが見える。ソナタはチェロだけのあるいはピアノだけのソロでもなければ、伴奏でもない。常に対等の立場でものを言う。時に陰に回り、時に表に立つことはあっても、二人の奏者がお互いに音楽を主張しながらも、相手の立場も尊重するという、まさに室内楽の醍醐味がそこにある。藤沢さんは待ちきれずに音楽が先へ先へと進んでいくのを、ピアノの高橋さんが悠然と受け止める。藤沢さんの指は本当に良く回る。早いパッセージをなんなく弾いてのける。そこに高橋さんも同じように乗ってくる。二人とも難しい曲をまるで易しい曲のように弾き進んでいく。最後のポッパーになった時には、チェロ自身が朗々と鳴りだして、気持ち良くコンサートは終わった。けれど、惜しいことに後ろの席に子供が2人。プログラムをカサカサ言わせたり、ペットボトルを落としたり、親がそばにいて注意もしない。あーあ!
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