2012年10月5日金曜日

迷い猫

前から気になっていた電柱に貼られたチラシ。自宅からいなくなってしまった猫を捜しているらしい。この一週間くらい前に私の家の駐車場に餌を食べに来るようになった猫がいる。おや、と思うほど似ているので飼い主に電話してみた。聞けば4か月前に引っ越しの準備をしていたら、姿を消してしまったらしい。電話の向こうで必死の声がする。捜しても見当たらずその次の日に引っ越しをしてしまったと言う。何回も自宅付近に戻って探したけれど、いまだに見つからないというので、見に来てもらうことにした。その間にもいなくならないようになんとか引き止めていられるかどうか。その日飼い主のSさんは仕事を終えて、夜9時ころやってきた。猫は車の下にもぐっているので、毛の色も良く見えない。でも自分の猫にそっくりだと言う。名前を呼ぶと反応がある。しかも車の下でお腹をみせてゴロンとした。もう数日間餌をやっているのに、私にはそんなことをしたことがない。これは脈があるかもしれない。その日は確認できなくて、朝明るい日差しの中で見ればわかるから又来ると言ってSさんは戻って行った。次の日は私は出かけてしまって、その間又Sさんが見に来ていたようだ。電話があって、本当によく似ているけれど、4か月で元の飼い主を忘れてしまうだろうかと、もっともな質問を受けた。赤ちゃんならともかく、2歳だった子なので、それはあり得ない。以前餌をやっていたのを途中事情があって中断した野良猫が、数年後に死に際に会いに来てくれたこともあるので、実際に猫の記憶は長いことを体験済だから。次の朝餌でおびき寄せてやっと車の下から這い出してきた猫をみて、はっきりと違うと確認された。本当にそっくりだけど、もう少し色が薄いらしい。Sさんも私も気落ちしてしまった。その子は明らかに飼い猫だったことがわかるけど、ノラになってどのくらい経つかわからないが、すっかり警戒心が強くなってしまっている。中々人の手の届く範囲にはこないから、保護することもできない。しばらく様子見だが、これから寒くなるからどうしよう。悩みの種は尽きない。

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