2012年10月24日水曜日

譜読み

ロンドンアンサンブル小田原公演で使用する楽譜がネットで送られてきた。印刷、製本が終わって、さて一回弾いて見るか。去年は私の体調不良で楽器を鳴らすのもままならない状況だったので、今年は体調管理をしっかりしないといけない。体調を崩すとてきめんに音が出なくなる。声楽家の体と一緒で楽器と体が一体だから。楽譜を読むことにはさほど苦労したことはない。しかし、ヴィオラは大きい。鳴らすのが大変。私は150センチに満たない小柄な体型で、今年は去年より4キロ近くやせたので、なんとか筋力をつけないと。そう思いながら、だらだらと運動もせずに過ごしている。まったく猫的性格は死ぬまで治りそうもない。幸い昨日は雨風が強く、家に篭りっ放しだったので、練習にはもってこいの一日だった。初めからざっと通して見る。難しいところのチェック。指使いを考え、音の出にくいところをマークする。音符の間違いを見つけ、これはいかがなものかと思われるような編曲箇所を見つけて直してもらう。そんな作業をしていると、すでにわくわくしてくる。これが全員集まって弾いたときにどんな音がするのだろうか。私の音はチェロの巨漢のトーマスの音にかき消されてしまうかもしれないけれど、だからと言って間違えたり音程をはずせばすぐに音がにごるから、おろそかにはできない。ヴァイオリンを始めた最初のころから、音が重なって響くことが好きだったので、今思えば室内楽奏者になることが生きる目的だったような気がする。楽器を始めたのが遅かったし、しかも親は将来音楽の道に進めようなんて金輪際思わない人たちだったから、最初は遊びの延長。音大に入っても、普通の大学に入りなおして就職しようかなと思っていたのに、結局この道に来てしまった。人間は自分で道を決めているようで、実は生まれたときから決められた道を歩いているような気がする。なんの滞りもなくこの道に来られたのは、幸運なことだと思っている。でも幸運になるためには、その前に面倒な練習が待っているだ。このコンサートの前にいくつかの仕事があって、それらの譜読みも大変。でも呆け防止となりそうでありがたい。

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