2013年3月25日月曜日

下北沢も大騒ぎ

小田急線下北沢駅の踏切がなくなった。下北沢には仕事や遊びでよく行った。あるとき渋谷で電車にのったら人身事故で電車が止まってしまって、このままでは仕事に間に合わない。電車を降りてタクシーに乗り換える。ところがその日はお祭りがあって、下北沢の周辺は車の通行止めになっていたのでタクシーを降りて走った。そして例の踏切。地団駄踏んで開くのを待った。結局他のメンバーもその事故で電車に閉じ込められて遅れたので、出番をずらしてもらった。小田急の踏切には沢山の苦い思い出があるから、なくなって良かったと思ったのに、あの騒乱はなに?今までさんざん文句を言っていたでしょうに、なくなるとわかったら「今までありがとう」って。昨夜の最終電車が通過すると大騒ぎ。こういう意味のない騒ぎにはついていけない。小田急そのものがなくなる訳でも、下北沢が移転したわけでもない。私が興味あるのは工事のこと。どんな風にしたのか、それは見たかった。一晩で線路を切り替えるのだから。以前東横線の高架によって踏切がなくなり、その交差点は立体交差だったのが一晩で立体でなくなるというので、どのような工事をするのか見に行ったことがある。立体交差の上に電車の高架線がすでに出来ている。その下が立体交差の道路。その立体交差を取り除く作業は、最終電車が通過した時から始まった。一斉に明るくなり、どんなに大騒ぎになるかと思ったら、本当に静かだったのにはびっくりした。各々持ち場が数メートル四方と決まっているらしく、それぞれの作業員が自分の持ち場だけで黙々と作業している。パッチワークの四角い部分をはがしていくようにして、ねじを外し鉄板をずらしクレーンでつり下げ、それを運ぶ大型トラックに積み上げ、あれよあれよという間に立体部分は消えていった。その後はアスファルトでならすだけだと思ったので、野次馬おばさんは寝に帰ったけれど、それは見事なもので感動した。ねじの係はねじだけ、はがす人ははがすだけ。なるほど、誰一人右往左往してたり大声を出す者もいない。女だてらに工事現場を見るのが好きで、そんな作業を惚れ惚れとして見ていることがある。ずっと以前、紅白歌合戦の本番の日、20秒で舞台の転換をしなければならない現場にいたことがある。大道具さんたちが転換をするのだが、リハーサルでは一度も成功しなかった。それがいざ本番となったとき、見事に20秒で転換した。そのときの大道具さんたちの動きは死にものぐるい。舞台の高いところから見ていた私たちも手に汗握っていた。成功したときには一斉に拍手がわいた。どんな現場でも働く人たちは美しい。

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