2013年10月5日土曜日

やっと音が戻ってきた。

今年の夏は熱中症になったり、暑さに弱い私はいささかまいってしまった。コンサートが続いて難しい曲を練習しすぎたり、まるで若いときと同じように動いていたら、疲れ果ててどんどん音が出なくなっていった。それでも仕事の曲はこなさないといけないから無理に練習していたら、今まで痛くなったこともないような腕の一部が痛くなり、だんだん動かなくなってしまった。「古典」の本番の3日くらい前は最悪の事態になった。本番間近で練習をサボるのは非常にこわい。以前マラソンの野口みずき選手がレースで失速したことがあった。それをテレビで知って「ああ、走りすぎたな」と思った。気持ちが痛いほどわかる。本番の前に練習をセーブするのはなかなか出来ない。怖いからなのだ。「古典」の3日前から弾くのをやめることにしたけれど、本番の前日は練習が入っていたので、どうしても弾かなければならない。その日は午前中も一切楽器にふれないでいた。本番間近でこんな事態となるとは。朝起きると腕と指が腫れ上がっていた。いままで経験したこともないことだったから、そこでやっと「ああ、年をとってしまったな」と実感した。いままでどんなに沢山弾いてもこんな事になったことはなかった。学生時代は一日中練習しても、次の日にはケロッとしていたっけ。それにつけても、三浦雄一郎さんはすごい。あの御年で筋肉量を増やしていったのだから。一部の週刊誌で大名登山とか揶揄されていたが、それだけの人材と資金を動かせること自体がすごいし、登頂に成功したことは誰にでも出来ることではない。悪口言う前に自分で上ってみたら?と言いたい。脆弱な私はもうヘトヘトだったけれど、この数日でようやく復活してきた。「古典」の本番は無難にこなしはしたが、音は伸びていなかったと思う。終ってから1週間、今朝音を出したらやっと本来の自分の音がし始めた。まだ本当に伸びていかないが、腕の痛みも軽くなっている。まだしばらく弾けるかな?ヴァイオリンを弾かなくなったら一体私はなにをすればいいの?脂の乗っていた頃は早くこんなことやめて楽をしたいと思っていたのに、いざ先が見えてくるとジタバタする。人の未練の種は尽きない。








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