2015年6月16日火曜日

フィーガロ・フィガロ・フィガロ、フィガロ・フィガロ・フィーガーロー

これにすぐに旋律が付けられたら、あなたは立派なオペラフリーク。
名誉オペラキチガイの称号をさしあげましょう。

今日は武蔵野文化会館大ホールで、ハンガリー国立歌劇団のオペラ公演、ロッシーニの床屋さん。
そう、「セビリアの理髪師」を観に行った。

ピアニストのSさんとフォーレのソナタを合わせたあと、早めに会場に着いて近所の回転寿司でちょっとお腹をこしらた。
今流行っている蔵寿司。
注文から会計までタッチパネルで全部済むという、ハイテク寿司や。

2人とも馴れていないから、まず、お茶を入れるところから躓いた。
湯飲みが無いわよと騒いで、やっと湯飲みを見つけたと思ったら、粉茶はどのくらいの量入れるの?お湯はどこから出るの?
スッタモンダの末、やっとまずいお茶にありついたら、目の前にお茶の入れ方が書いてあった。
ほらね、マニュアル読まない人はダメねえ。

タッチパネルがかなり高い場所にあって、手を伸ばさないと届かない。
それで食べている間も次の注文を考えるのに、上ばかり見ていたので疲れた。
後ろの席の家族連れも、首がくたびれると騒いでいる。
なぜこんな高い所に有るのかというと、たぶん子供の手が届かないようになっているのではないかと思う。
やたらにさわって間違えた注文をされると困るので。

お寿司の後は近くの美味しいケーキやさんでお茶を飲み、会場へ。

ロッシーニの「床屋」は全編通じて騒がしく陽気で、筋書きはメチャクチャ。
そのかわりとてつもなく面白い。
もっともオペラはどのオペラをとっても、とんでもない話しばかり。
要は筋はどうでもいいのであって、歌さえ良ければ満足。
先日見たプッチーニ「マノン・レスコー」だって、一緒に聴いたコーラスさんと「あんな酷い女のために命捨てるなんて考えられないわよね」と話していたくらいだから。
それでも最後はウルウルして感激して帰って来た。

序曲が終ってアルマヴィーヴァ伯爵のアリア「東の空はバラ色に燃えて」私はこれが大好きでしょっちゅう口ずさんでいるのだけれど、今日のテノールは高音が伸びず、あえなく沈没!残念!
まあ、一番最初だし、緊張や時差ボケもあるだろうし。
フィガロ役のジョルト・ハヤの圧倒的な存在感にやや気圧され気味。
それにしてもイタリア語というのは、なんて早口なんだろう。
それが音楽に乗って滑るように進んでいくのだけれど、歌い手はややもするとスベリッシモ。
それに対し指揮者は平然とテンポを維持している。
ロジーナ役のガブリエラ・バルガが、もどかしげにオケに合わせる。
その辺の駆け引きが面白い。

レシタティーボのバックを弾いているチェンバロ?風の電気ピアノ?見えなくてよく分からなかったけれど、それらしい楽器の演奏者は、遊ぶ遊ぶ。
合いの手にベートーヴェンやら日本の演歌やらを、分からないように入れる。
途中で思わず噴き出してしまった。
室内楽でもオーケストラでも、勿論オペラでも、一番楽しんでいるのが、演奏者たち。
自分たちが楽しんでお客さんからお金を頂いて、こんな不届き者たちはいない。

このロッシーニのオペラ、実は私にとっては危険なのだ。
カーステレオでこれを聞きながら走ると、いつの間にかスピードが出過ぎてしまう。
テンポが良すぎるから。



























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