2015年6月26日金曜日

フォーレ 「レクイエム」

今年10月の八ヶ岳音楽祭の演し物は、
        レスピーギ「ローマの謝肉祭」
        フォーレ 「レクイエム」 
        フランク 「交響曲2番」

早々と楽譜が送られてきた。
いそいそと封を切って、早速譜読みを始めた。
まだずっと先の事なのに、私は新しい曲の譜読みが大好きで、読み終わると飽きてしまうのだけれど、どれくらい弾けないかを試す意味もあって、来たらすぐに弾いてみる。
問題の箇所をチェックして、そこを重点的に練習する。
この作業はいつでもわくわくする。

ところで今年は私はヴァイオリン、ヴィオラの両刀遣い。
フォーレのヴィオラパートとフランクはファーストヴァイオリン。
両方弾いてくれと。
私に頼むのは筋違い。
メンバーに両刀遣いの優秀な人は何人もいる。
それでも、気易くおっちょこちょいに引き受けるのは私くらいだから、頼みやすいらしい。
なんで引き受けたかというと、フォーレのヴィオラパートはかねてから私の垂涎の的だった。
いつもヴァイオリンの席からヴィオラの旋律を聴きながら、いいなあ、弾きたいなあと指をくわえていた。
それを弾かせてもらえるならと、二つ返事で引き受けた。

幸い私は楽器が変わると、自然に脳みそのスイッチがパチンと切り替わってしまう。
車の右ハンドル左ハンドルも、車の右側通行も、外国へ行くとなんなく切り替わる。
だから殆ど苦労せず両方の操作ができる。
ものごと全ていい加減に流せるので強い!
生真面目に悩むことは滅多にない。

大喜びで寝ているヴィオラを起し、これこれ出番だよ。

久しぶりで弾くとやけに良い音がする。
うーん、やっぱりヴィオラ大好き。
でも、楽譜を見るとイメージと大分違う。
あれ、なんか変だなあ。
あの旋律はどこ?時々浮上する知ったメロディー、でも続かない。
え、こんなだったっけ。
もう少し滔々とメロディーが流れていたような気がするのに。

そうか、やはり第2ヴィオラもチェロもいて、ヴァイオリンがあって、それでヴィオラが引き立つんだ。
上手く作られているのだ。
ちょっと期待外れだったけれど、それでもやはり嬉しい。
長年弾きたいと望んでいたパートが弾けるのだから。

そう言えば、ベートーヴェン「第九」
3楽章のアダージオに、セカンドヴァイオリンの素敵な旋律がある。
ずっとファーストヴァイオリン弾いていた私は、そこのメロディーが弾きたくてウズウズしていた。
練習の時はその部分を一緒に弾いたりしていたけれど、まさか本番では弾くことは出来ないので、コンサートマスターに頼みに行った。
セカンドヴァイオリンを弾かせてくださいと。
コンマスは渋っていたけれど、何回もお願いしてやっとセカンドヴァイオリンを弾くことになった。
晴れて第九の3楽章のセカンドヴァイオリンを弾けて、本当に嬉しかったことを思い出す。

その後はオケの中の放浪児。
セカンド弾いたりヴィオラ弾いたり、ファーストに戻ったり。
それはそれで面白い経験だった。
他のパートが何をしているのかが良く分かった。
セカンドヴァイオリンやヴィオラは、主に木管楽器と連携プレーをしている。
ヴィオラは特にファゴットなどと関係が深く、すごく楽しい。
その場に行ってみないと、こういうことは分からない。

今はファーストでなければ弾けない。
内声はとても難しくて、気軽には弾けない。
もう考えるのが面倒くさいので、ファーストが一番。
チェロ、ヴィオラ、セカンドが苦労して作った台のうえで、いい気分で歌って居ればいいのだから。
ファーストヴァイオリンが一番気楽なのを、皆さんご存じかしら。
数年前にセカンドのトップをやらされたときのことは、思い出すのも嫌なくらい大変だった。
馴れてしまえばいいのかもしれないけれど。






































0 件のコメント:

コメントを投稿