昨日はコンサート終演後飲み会に行くので、ステージドレスや靴などの入ったキャリーバッグがじゃま。
化粧品が入るとけっこう重くなってしまう。
足首が腫れて痛いのに、荷物を持って歩くのはあまり喜ばしいことではない。
それで長年の仕事仲間で住まいが近く、同じ仕事に行くときにはアッシー君を務めてくれるチェロのSさんに、荷物を預けてしまった。
身軽になって、いそいそと飲み会会場へまっしぐら。
白地にブルーが入った可愛いスキーブーツ。
今まではまだ筋力もあって上級者向けの靴だったけれど、最近は体力もないし滑るゲレンデも緩斜面が多くなってきた。
それで柔らかめの、着脱が簡単でしなやかなブーツに替えることにした。
内覧会では予約だけして、後は11月頃、インナーブーツを成型してもらう。
素人スキーヤーには少し贅沢ではあるけれど、用具の性能が良いから今まで怪我一つせずにやってこられたのだと思う。
今頃思い当たる節があるのは、足首の痛み。
先シーズンの志賀高原熊ノ湯、夕方1人で一番上までリフトで昇っていった。
企みがあったから誰にも言わずこっそりと。
熊ノ湯の中央にあるリフトは、中間に駅があって初心者はそこでおりる。
もう少しチャレンジなら一番上でおりて左に回ると、中級者用の変化の多いスロープが待っている。
リフトを降りて右に行くと、コブコブの急斜面。
特に入り口付近は圧雪していないと、雪がグズグズに固まっていて私ごときの腕(足?)では中々の難所。
以前は、熊ノ湯の最後はそこで〆て、ホテルへ帰るというコースだった。
そのゲレンデは最近、圧雪することが少なく荒れていたので敬遠していたけれど、久しぶりに血が騒いだ。
ようし、誰もいない。
これなら人にぶつかる心配がないから安心。
随分以前には、凍ってピカピカのアイスバーンだったその斜面を、気持ち良く滑っていたこともあった。
でもその頃はちゃんと圧雪されていて、もっと滑りやすかった記憶がある。
ゲレンデに入ってみると予想以上の雪質の悪さ。
いやいや、これはこれは。
慎重におり始めたけれど、多分怖さが先にたって腰が退けていたのだと思う。
あっという間に雪だまりにスキーの先が突っ込んで、転んでしまった。
その時に左足首が妙な方向に曲がって、板が抜けない。
そのまま抜くとたぶん、ギクリと足首をやられる。
自力ではどうしようもない。
ビンディングを外すことも出来ない。
その時上から人がおりてきた。
すみませーんと声をかけても気が付かず、行ってしまった。
気が付いていたかも知れないけれど、若い女性でないから放置されたかも。
次第に辺りは暗くなって夕飯のことが気にかかる。
このままだと夕飯が食べられない。
するともう1人降りてきた人がいた。
今度は声を限りに叫ぶと、やっと気が付いてもらえた。
その人に板を抜いてもらって、這々の体で降りてきた。
そうか!あの時ひねったのが今頃?
何年も前の身体のダメージが、後から出て来ると聞いた。
私もその時は別に痛みもなく、次の日も普通に滑っていてすっかり忘れていたけれど、昨日そんな話題になって思い出した。
おかしいのは、夕暮れの急斜面で板が抜けない非常事態なのに、夕飯に間に合わない事ばかり心配していたこと。
たぶんお腹が空いていたのかも。
今朝雨がふっていたけれど、昨日預けた荷物をとりに、我が家から10分ほどのチェリストの家に自転車で向かった。
午前6時、朝食前の軽い運動、これを朝飯前というなんてダジャレを言うのはだれじゃ。
緑色の派手なカッパを着て、ビュンビュン自転車をこいでいると爽快で、早く新しい靴でゲレンデを滑りたいと思う。
まだ夏の入り口なのに、もう冬が待ち遠しい。
早起きのSさんは家の前で待ち構えていて、私の格好をみるなり「それゲレンデで着るカッパ?」と言う。
他人から見ても、もうスキーモードに入っているのだ。
夏の遊びが目の前に沢山待ち構えているというのに。
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