2015年8月15日土曜日

くにたちの会

毎年8月14日は「くにたちの会」
国立音大出身の弦楽器のある世代が集まって、コンサートを行う。
私たちの4年ほど先輩のヴィオラ奏者の滝沢達也さんが中心となって始め、その世代の少し上、少し下の世代が集合する。
滝沢さんは残念なことに数年前に亡くなって、最近は若い人が後を受け継いでくれている。

中心人物が日フィルのヴィオラ奏者だったから、ヴィオリストと日フィルが多いけれど、他にN響、東京都響、東フィル、読響、東響など、オーケストラ団員もしくは元団員が毎年集まってくる。
来年は大阪フィルからも参加が予定されている。
曲はブラームス「弦楽六重奏曲1番」
最近は皆年をとって、「元」団員の数の方が多くなってきた。
最高齢83才の三宅さん、毎年参加、今年も素敵な音を聴かせてくれた。
特にヴィオラ、チェロは人の声に近く、心を癒やしてくれる。

曲目は皆自分が弾きたい曲を持ち寄ってだから、様々なソロやアンサンブル、時によってはいきなりその場で組み合わせて演奏することも。
私はピアニストのSさんとフォーレ「ソナタ」
出演者が多く、他の人の演奏を聴いている内にくたびれて、いつも集中しない。
リサイタル前の肝試しに弾く人もいる。
現役バリバリのプロはもとより、しばらく演奏から離れていた人や、他の仕事に就いてしまって楽器を弾くのは久しぶりと言う人も。
子育てが終って、又演奏に専念出来るようになったと言う人などもいて、演奏レベルは色々。
他の音大だったら「あんなに弾けなくて良く出るわねえ」なんて悪口言われそうでも、くにたちなら絶対そんなことを言う人はいない。
それがそもそも国立音大が生ぬるいと言われる所以なのだが、それがこの音大の優しさ、包容力のある人達を育んで来た。
悪く言うと「くにたちボケ」良く言えば・・・うーん。

他の音大出身者によく言われる。
大学では皆ライバルだったから、友達なんていなかった。
私の友達はくにたちの人が多いのよ、と。
私も他の大学に行ったら潰れていたと思う。
楽しんだ分、あんまり上手くはならなかったけど。
それでもプロとして活躍している人は、他の大学に比べて少ないわけではない。
とても協調性があるのが、仕事場で役に立っているようだ。

コンサートが終るとお決まりの国立駅付近の「天政」で宴会。
ここからが面白い。
楽譜がドンドン出てきて、組み合わせも色々、その場でアンサンブルが始まる。
ピアニストを気の毒に思うのは、生真面目にいつも1人で弾いているのに、我々弦楽器奏者はいつでも楽器で遊べること。
2人揃えばすぐにアンサンブルが出来る。

私は学食の奥を占領する管楽器グループに入り浸って、毎日アンサンブルをして遊んでいた。
飽きると一緒に落語を聞きにいったりして、面白い学生生活を堪能した。
その延長が「くにたちの会」
来年も8月14日、駅近くのさくらホール。
お暇な方は是非ご参加下さい。

私は相棒のSさんが超まじめなので、本気で練習しないと怒られる。
それで私の最大限の真面目をかき集めて練習した。
あちらの隅、こちらの陰に隠れている真面目君は中々出てこない。
いつでも巫山戯る準備だけは出来ている。
それでもフォーレは一筋縄でいかないから、いつものおふざけはやめて真面目になりましたよ、ええ、そうですとも。
実は本当に気が小さくて、とても緊張し易いので。























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