私は生まれが大所帯育ちの猫族だから、非常に独立独歩。
人と競争しようという意識はまるでない。
スポーツ中継を見ていても、日本が勝とうが負けようが、少しの興味もわかないし、歯を食いしばって走って居るのを見ても、あまり感動はしない。
時にはオリンピックで日本と外国が競り合って、日本が勝つと、ヤッター!と思う事もあるけれど、基本的には勝負事はあまり興味がない。
そして自分も人と自分を比べることはまず無い。
ところが、人からターゲットにされることがあまりしばしば起きるので、不思議に思う。
ある男性の噂をしていたところ、私よりずっと知的な人だと思っていた女性から「貴女には負けないわ」と言われて仰天したことがあった。
だいたい私は、その男性のいやに権威主義なところが趣味ではなかったし、一度も好きだったこともないのに。
なぜか、彼女にライバル視されていたことが、その時判明した。
彼とは、お付き合いしたことはない。
ただ1度だけ我が家に遊びに来たけれど、その他大勢と一緒。
なんだかキツネにつままれていた。
そしてある時、友人達が集まってワイワイやっていたときのこと。
ある女性が突然私に言うには「私はオーケストラでは、お給料が特別だったの」と得意げに言い始めた。
「あら、そうなの」
「そうなの、**万円だったの、他の人には言うなと言われていたけど」
あのー、私も同じ額だったのですけど。
かつて、オーケストラの契約更新の時に、団長と1人1人面談の上でお給料の話し合いをする。
それでお互い納得すれば、更新するというシステムだった。
その時の団長はやり手で「貴女は特別にお給料がいいから、他の人に言ってはいけないよ」みたいなことを言って、単純な人は喜んで更新するけれど、私たち同期の桜はみなそれを見抜いていた。
部屋から出て来ると「ねえ、いくらだった?なんだ私といっしょじゃない」と笑い会う。
「特別だって言われなかった?ああ、やっぱり」とか情報は筒抜け。
けれど、先程の女性はあまり親しい人もいなかったので、そういう話しは聞いてなかったとみえる。
その女性は何故か私に付きまとって、私のすることなすことマネをし始めた。
自動車免許を取ればすぐにとりに行く。
車を買えばすぐに買う。
とにかくウンザリするほど私のマネをするから、あるときついに切れて、その人が買ってきた、私が持っている毛皮の襟巻きとそっくりな物を放り投げて縁を切った・・・つもりだった。
もうウンザリ!
しばらく疎遠になっていたのに、なにやかやと電話してくる。
アンサンブルのお誘いを受ける。
私も好きな事だからつい一緒にアンサンブルを始めると、そのうち、
私を仲間はずれにして他の人達と陰でコソコソする。
私はもうこれで縁が切れたと思ってヤレヤレと思っていると、無視されるのは好きでは無いらしく、又すり寄ってくる。
なぜそうなのかと思っていたら、どうやら私は彼女のライバルらしい。
あちらが勝手にそう思っているだけで、こちらは誰のこともライバルと思ったことがないので、つい最近まで気がつかなかった。
そして先程の「私は特別」発言で、ほんとうに、うんざり。
ちっとも特別ではないのに、長年に亘って、この年になってなお、まだ競争心を持たれていることに、寒気を覚えた。
もう何十年も前の話なのにですよ。
そう言えば私がリサイタルもどきをした時も、間髪を入れずリサイタルをした。
しかもこちらはご招待しているのに、聴きにこない。
彼女のコンサートにはお知らせがあれば聴きにいくけれど、仲間の中に私の分だけチケットの取り置きがない。
当日売りを買ってはいると「来てくれるならご招待したのに」と必ず言う。
それが毎回毎回のこと。
知らされたら都合がつく限り、私は聴きにいくことにしている。
それが分かっているのに。
本当に申し訳ないけれど、もうごめんなさい。
私は貴女のことをライバルだなんて、一度たりとも思ったことはないのだから。
その人の方が容姿も良い、都内某所に立派なお家を持っている、ご主人は有名企業の人だったし、立派な息子さんがいる。
どこをとっても私よりも勝っていると思えるのに。
そういう私の態度にイライラするらしい人がまだいる。
知性のある人は上手く爪をかくすけれど、私はそのことに関して疑り深くなっているから、見逃さない。
なんでも物事、勝ち負けで競うほうがおかしいと、私は思っている。
本当に本当に、私は猫なのだ。にゃあ~、ほらね。
私は好きなときに好きなようにして、他人のことには無関心。
大家族で育ったから、人は皆立場が違うということが身にしみてわかっているのだから。
もう、ほっといてちょ~うだ~い。
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