2015年8月29日土曜日

ネコの避難所

昨日の夕方、うちの駐車場に放置してあった段ボールに、ネコが入っていた。
昼過ぎには入っていなかったと思う。
夕方の散歩から帰って、道路のゴミを掃いてごみ袋に入れようとしたときに、段ボールになにか黒っぽいものが入っているのを発見した。
覗いて見るとネコが寝て居た。
それもただ事では無いようで、覗き込んでもぴくりともしない。
初めは死んでいるのかと思ったけれど、呼びかけると少し頭を持ち上げてこちらを見た。

ああ、よかった、生きている。
しかし、安心したものの、良く見るとがりがりにやせ細って、鼻と口がどろどろに汚れて、毛並みも悲惨。
急いで家から餌を持ってきて目の前に置いても、口を付けない。
鼻が膿だらけだから、匂いが嗅げないのかもしれない。
それとももう余命が無くて、ここに死に場所を求めたのかも知れない。
とにかく、すぐに動物病院に連絡して、連れて行った。
車に乗せるとかすかに「にゃあ」と鳴いた。
獣医さんの治療を受けている間も、嫌そうにはするけれど逃げ出す気力はない。
とりあえず点滴と、低体温になっているので温めるようにして、一晩預かってもらう事にした。

私の飼っている猫たちは全部元ノラネコ。
どのネコも何故か私の家の前に来て、倒れていた。
どうしてここが避難所になったのかは知らないが、ネコの地域社会の情報網が張り巡らされているらしい。

目の前の道路にボロ雑巾が落ちているのかと思って良く見たら、息も絶え絶えのネコが蹲っているのだったり、歩いている私の目の前に飛び出してきてぱったり倒れたり。
ある日散歩に出かけ、いつもの道をちょっと逸れてみたら、おじさんに捨てられそうになって助けを求めているネコがいたり。

「どうしてこんな事になるのかしらね?」とヒゲの先生に訊ねたら「あそこに行けば助かるって言う情報網があるんだよ」
ヒゲの先生は亡くなって、今はその甥御さんの代になっている病院。
どこの動物病院もすぐに建物が立派になるのに、ここは何十年も古いまま。
決して流行っていないわけではないのに。
1度治療費が値上げされて「私は猫のためにもっと働かなくちゃならない」と嘆いたら、次の時には旧料金に戻っていた。

近くの立派な動物病院は、治療費を告げられて心臓発作を起こしかねないほどの高額。
それでも夜中に緊急の場合、そこしかないから涙を呑んで支払う。
あっという間に病院は増築された。
それがひどいと評判になって、ボランティアの獣医師が集まって、夜間診療所が出来て、行きつけのその獣医さんもそのうちの1人。

それでも24時には閉まってしまうから、その後は例の高額診療所に駆けつける。
動物も家族だから、総出で大きなワンちゃんを連れてくる一家もいる。
私も弱った烏を連れて行って、目玉が飛び出るほどの治療費を払った。
患者名を呼ばれた時が面白かった。
「**烏さ~ん」

今朝動物病院に電話すると、かなり状態は悪いと言う。
すぐに駆けつけた。
ケージの中を一目見て、これはもうダメと分かった。
沢山のネコを見送ったので、手の施しようがないのは明らかに分かる。
昨日は点滴をした後、トイレにも自分で行ったそうなので、ちゃん躾けられた飼猫だったと思われる。
のみ取り首輪もしていた。
それがどうしてこんな状態で私の家の駐車場まで来て、段ボールに入れたのかは謎。
歩く事も出来ないのに。
誰かが捨てていったのかも知れない。
捨てるならもっと早く捨ててくれれば、手の施しようもあったのに。
病院のケージの中で行火を入れてもらって温められていた。
せめてもの最後の幸せになれば良いけれど。

死ぬことは必然だから可哀相とは思わないけれど、飼い主に捨てられたのだったら不憫でしかたがない。

































2 件のコメント:

  1. うーん、かわいそう。nekotama様、最後を優しく面倒あげてくださってありがとう。私も同じ事したと思います。

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  2. 雌猫だったから自分で家出したとは思えないので、あるいは・・・と思うと不憫ですね。

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