2015年11月24日火曜日

空飛ぶ団子

今朝、東北旅行のお土産を持って姉の家に行った。
コーヒーを淹れてもらって飲もうとした時、姉が私の顔をみて「あらっ、顔むくんでるわよ。鏡見てご覧」
それで急いで姿見を覗き込むと、別に変わりない、いつもと同じ顔が。
「これ、普段と同じ」と言ったら「そうお?」疑わしげに言う。

確かに、昨日まで3日間、東北は奥州市で忙しく弾いたり遊んだり、そして飲んだり食べたりが激しかったから、多少のむくみはあるかもしれないけれど、そんなにビックリされるようなむくみ方ではない。
元々こういうジャガイモのような顔なのだ。

なんで姉が気にするかというと、私は子供のころから腎臓に弱みがあって、今では腎臓に空洞があるそうなのだ。
それはとりたててどうこう言うものではなく、加齢によるものらしい。
疲れると腎臓に負担がかかって、むくみやすい体質であるのは確かで、子供の頃私が急性腎炎を発病したときに、見つけてくれたのもこの姉だったような記憶がある。

3日前、元オーケストラの同僚だったS子さんと、東フィルのOBのHさんと、東北新幹線に乗った。
駅弁を食べお喋りしていると、あっという間に一関到着。
駅前のホテルにチェックイン。
しばらく休憩して、盛岡行の列車で水沢に向かった。
水沢ではチェリストの舘野英司氏指導の、チェロフェスティバルが開催される。

東北と長野、新潟からもチェロを持った人達が集まってきて、会場には二日間チェロの音が響いた。
チェロが沢山集まると、ゾウの大群のようで中々壮観だった。
私の生徒のKちゃんのご主人が館野さんの生徒で、Kちゃんもヴァイオリンで参加、ついでに私も引きずり出された。
彼女は東北の人達と連絡を取り合って、プログラムの調整や宿泊場所の確保などの世話をするので大忙し。
見ていると絶え間なく動き回って、多動児の私も真っ青なくらい。
若い日の自分を見ているような気がした。

今回私がモーツァルトを弾きたいと言うと、わざわざ新潟と長野からホルンの人達が来てくれて、一緒に演奏。
「喜遊曲17番」は私にとって、世の中の全部の曲の中の最高。
それを演奏できるのは無上の喜びで、そのために旧友たちが東北まで同行して、演奏の助けをしてくれた。
みなさんありがとう。

フェスティバルは大成功で、舘野さんも嬉しそう。
その翌日は別の場所へ「農民オーケストラ」の指導に出かけていった。
彼は、一時期脳梗塞で倒れたにも関わらずお元気で楽しそうで、年上の方が頑張っているのを見ると、私もまだ演奏が続けられるかなと、勇気が出る。

2人の友人と私の3人は奥州平泉の中尊寺、毛越寺などの世界遺産を見にいくことにしてレンタカーで出発した。
やはり、かなり寒い。
都内でダウンコートは大袈裟な様な気がしていたけれど、さすが北国は冷える。
お寺の後は、厳美渓という岩の絶景地にいってみた。
美しい渓流の両岸は堅い岩肌で、ごつごつとそびえている。
吊り橋の上から眺めると、下を流れる水は所によって色が濃いエメラルド色、あるいは薄いグリーンなど、水色ではなく緑色系なのが周りの岩のグレーと良い配色になっている。
そこには時々テレビなどで見る「空飛ぶ団子」屋さんがある。

川の中州に四阿があって、対岸の上の方に団子やがある。
下で合図をするとスルスルとロープにつるされた籠が降りてくる。
そこへ代金を入れて送り返すと、籠に団子が入っておりてくる。
良く考えたもので、普通の団子でもこうやって買えば面白くて、美味しさ倍増になる。

ゆっくりとしたスケジュールで1日遊んで、お喋りをして、飲んで食べて、楽しい3日間の締めくくりとなった。
現地の方に頂いたリンゴジュースやジャム、毛越寺で買った自然薯などで膨れあがって重くなったキャリーケースをウンウン言って引きずって、足取り重く心は軽く帰宅した。






















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