2015年11月12日木曜日

お掃除ロボット

お掃除が嫌いなわけではないけれど、普段全く関心がないので、何日も忘れてしまうことが多い。
埃が積もっていても気がつかない。
埃アレルギーのモヤという猫がセンサーになってくれて、彼女が咳をしだすと限界ということで、ちょっと掃除をする。

モヤはセンサーになってくれていたけれど、残念なことに天国へ行ってしまった。
まさか、埃が彼女の命を短めたという事はないだろうかと、時々自問する。
可哀相なことをした。
もしそうだったら本当に悪いことをしたと、後悔している。

私の掃除下手を見かねた人が用意してくれたのが、ルンバとブラーバ。
ルンバはお馴染みの掃除機ロボット。
ブラーバは拭き掃除ロボット。
ロボットがお掃除をしている間に私が他の用事が出来ると考えて、用意されたものと思われる。
が、それはどっこい。

私はロボットが掃除をしているのをボンヤリ眺めるのが好きで、結局お掃除が終るまでジッと眺めている。
それなら自分の手で掃除機を使い、雑巾がけをすれば良いのだけれど、そうはいかない。
ロボットたちを眺めていると、隅々まで、それは丁寧に掃除をする。
時々、隅っこやロボットの手の届かない部分があって、歯がゆいこともあるけれど、そこは後で自分で掃除をしようと考えていても、終ればすぐに忘れる。
それぞれのロボットに得意不得意があって、あ、そこそこ、なんてつい手を出したくなるけれど、お邪魔しては悪いので我慢して見ている。
我慢しなくてもいいんだよ、なんて言わないでね。
ルンバは多少の段差は乗り越えるけれど、それに引っかかって止ってジタバタしていることがある。
ブラーバは拭き掃除ロボットで床に密着しているから、段差はのりこえられない。

大家族で育ったので、子供の時は決して掃除をしないわけではなかった。
家族の分担が決っていて、私は雨戸の開け閉て、玄関の掃除、ご飯を大きな釜で炊くなどのルーティン・ワークをこなしていた。
母の家事の負担が大きくて、大変だと思ったから手伝いは良くした。
それに今どきの子供の様に沢山の娯楽がなかったから、他にすることも無かったと思う。

両親とも世の流れに疎い人たちだった。
我が家にガスが入ったのはよその家よりも大分遅かったので、随分後になるまで、我が家はかまどでご飯を炊いていた。
数百年も経った旧い家の広い土間に大きなかまどがあって、そこで小学生の女の子がご飯を炊いている図を想像して見て下さい。
なんか、ほっこりした気分になるでしょう。
家事はとても面白くて、お釜でご飯を炊くときの火加減なども色々工夫したりしていた。
炎をボンヤリ見つめることも、好きだった。

家で勉強することは全くなくて、両親とも全然うるさくはなかった。
その頃私は、好きなだけヴァイオリンを弾いて、その他はボンヤリと空の雲を眺めている子供だった。
炎も雲もどんどん変化して、色や状態が変わるのに想像力をかきたてられて、私は空想の世界に没入していた。
音の変化にも通じるものがあって、消えてゆく物の美しさに取り憑かれているのは、その頃の経験が大いに関与していると思う。
今はルンバの掃除しているのをボンヤリ眺めて、本当に性格変わらないなあと可笑しくて、1人で笑った。

特にルンバが仕事を終えてお腹を空かせて、静々と基地に戻って行くのを見るのが好き。
電源にたどり着くと、いきなりチュウチュウと電気を飲み始める。
これが可愛い。
お母ちゃん~なんて言ってるのかしら。

一方ブラーバは、濡れた布をセットすると、丁寧に拭き掃除を始める。
お陰で先日は「なんだかこざっぱりしているわね」と、以前の状態を知っている人からお褒めにあずかった。
何回も言うけれど、決して掃除をしないワケではないけれど、自分の中の順位では、掃除は最下位。

初めにまず、することは、なんの役にも立たないことから。

朝食後はネットをさまよい、ヴァイオリンを弾いて、時々散歩。
時々ゲームに没頭して時間を無駄にする。
時々読書。
時々音楽を聴く。

人を役に立つ人と役立たずと分類すると、明らかに役立たず。
それなのに、周りの人達はいつも優しく、私の手助けをしてくれる。
これは前世の行いがよほど良かったか???、ご先祖さまが守ってくれているのか。





















4 件のコメント:

  1. 私もソファの上で膝を抱えて、お掃除ロボットが右行ったり左行ったりするのを見るの、好きです。
    ちょっと思い悩むことがあるときとか、何も考えたくないときとか。

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  2. nyarcilさんでも、なにも考えたくないときもあるのですね。
    私はいつもなにも考えていないから、たまには考えないとね。アハハ

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  3. 私もともと頭からっぽだから。(笑) お掃除ロボットってちょっと健気で、モヤモヤしているとき見てると癒されるのですよね、きっと。

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  4. 私は器械類が意外と好きで。
    東工大でロボットのコンテストを始めたころ・・・今を去るウン十年前からのロボットフリークなんです。と言ってもテレビで見るだけですけどね。

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