2015年11月20日金曜日

犬嫌い

公園を散歩していたら、なにやら大声で騒いで犬を蹴ろうとしている人がいた。
ニッカボッカというのか、裾の広がった工事の時に着用するような作業ズボンを穿いて、髪は茶髪。
背丈もあって体格がいい。
仕事帰りなのか、泥で汚れている。

その人が追い払おうとしている犬が、見れば小型犬のマルチーズ。
別に吠えもせず、その人をめがけて走り寄って来た。
「マルチーズの性格」の画像検索結果
その人が怒っている。
「なんで犬を放すんだよ。この犬噛まないか?」
近くにいる女性が「噛むわよ」
あっさりと言う。
「噛むなら紐離すなよ。早くそっちに連れて行け」

思わず噴き出しそうになった。
身長は170センチ以上あると思えるし、日に焼けて腕っ節の強そうな大の男が、マルチーズに襲われて?いる。

犬の方は、遊んでもらえると思って走り寄ったのか、きょとんとして男の人を見ている。
しかし、よほど犬嫌いなのか、私が通り過ぎてもまだ怒っている。
「信じられねえな、犬を放すなんて」
「おい、おまえ笑ってねえか?笑ってるだろう」
飼い主は半分笑いながら「笑ってないわよ」
私は、笑い顔を見られないように、うつむいて側を通り過ぎてきた。
人によって怖いものは様々。

以前家に良く遊びに来た打楽器奏者は、猫嫌い。
それなのに、その人が来ると何故か猫が寄っていく。
なにが嫌なのか聞いたところ、猫は足音をさせずにいつの間にか側に寄ってくるから、びっくりするという返事。
それは痩せても枯れても肉食獣だから、足音がしては困る。
そのために肉球があるのだから。
家に遊びに来ると、彼はイスの上におばあさん座りをして、猫に足をスリスリされないように警戒していた。

私は無類の猫好きだけれど、猫が気持ち悪いと言う人の気持ちは良く分かる。
猫の尻尾は蛇のようだし、目を見るとなにか企んでいるような気がする。
実際企んで居ることもあって、いきなり爪を立ててよじ登られると、痛さのあまり絶叫する。

私は爬虫類が大の苦手。
絵に描いた物でもだめ。
以前、麻のワンピースを買ったことがあって、濃いグレー一色だったから、アクセントになるベルトがほしいと探していた。
爬虫類の太めのベルトなら、ピッタリだと思った。

そして大岡山の駅近くの店で、理想通りの太さと色の蛇皮のベルトを見つけて、嬉しくて小躍りした。
試着をお願いしてウエストにそのベルトを巻いたとたん、全身に鳥肌が立って、どうしても巻いていられない。
泣く泣く諦めたけれど、今でも思い出すほど素敵なベルトだった。
お値段も手頃で、買っておけば良かったかなあと、未練タラタラ。
買ってもたぶん締めなかったし、しまっておいても気持ち悪いと思うから、買わずにいて正解だった。

蛇だって日本で近隣にいるのは、毒のない大人しい種類だから恐れることはないのに、もしその辺に放し飼いにされて私を見て滑り寄ってきたら、私は大絶叫で気絶しかねない。
小型犬を怖がって騒ぐ、屈強の男がいても不思議はない。
笑って悪かった。
その人は多分子供の頃に噛まれたとか・・・トラウマがあると思う。
私にとって犬猫は天使だけど、その人には怪獣にしかみえないのかもしれない。

































2 件のコメント:

  1. ペットじゃないけど、うちの連れ合い、カニの姿を見るのが大の苦手。
    小さい頃海で、カニが自分の方に正面からサササっと近づいてきて、怖い思いをしたからだそうで。
    カニの脚とか食べるのは大好きだけど、ばらしてないとダメ。魚市場でカニが並んでいると、そっちの方に近寄らないようにしてます。(笑)
    まあ、犬も猫も、なんかの理由で苦手になるひともいるんでしょうね。

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  2. たしかにカニの形は不気味かも。あれがこちらへカサカサッと寄ってきたら、そりゃ怖い。子供だったら、大人が見るより大きく見えるでしょう。想像すると、いやですね。でもあんなに美味しい物もないので、あれを最初に食べた人は偉い!わあ、食べたくなっちゃった。

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