2010年6月14日月曜日

はやぶさ帰還 糸川博士

宇宙探査機のはやぶさの帰還は、今日の新聞やテレビでトップニュース。だが、サッカーのワールドカップのニュースの方が華やかに報じられて、日本の長年の宇宙開発の技術者は複雑な思いかもしれない。着陸したのが太陽系の小惑星イトカワと聞いて、糸川博士に何回かお目にかかったことを思い出した。糸川先生はもちろん日本のロケット研究の第一人者であったけれど、芸術に深く関心を持たれ、チェロを演奏し、ヴァイオリンを作成し、ついにはバレエまで踊られた。私は長い間テレビでの仕事が多かったから、よく糸川先生が登場なさるときに現場に居合わせた。ヴァイオリンを手にとらせていただいたこともあった。いつもニコニコされて、楽しそうに登場なさる。あくなき好奇心が若々しさの秘訣ではなかったか。先生はかつて「逆転の発想」を書かれ、当時一大ブームとなった。ひとつの力ではなく、周囲をまとめ、相手の立場にたって物事を進めることが大切。それにはまず相手の状態を聞くこと。自分が人にどのように役にたてるのかを、考えて行動する。そのような主旨であったとおもう。ロケットの研究だけでも普通の人にはできる事ではないのに、いつぞやはかの名チェリスト、フルニエと共演された。もちろん腕のほうは???だったけれど、嬉しそうに無邪気に弾く姿は、ロケット博士とは思えないくらい、普通の人。チェロがロケットの研究になにかヒントになったこともあるかもしれない。ないかな?バレエも重力の研究の役にたったかもしれない。ないかな?フルニエとの共演の時、音程がいいなとおもったら、なんと指板の端にに白いエナメルで指位置が」記されていた。それを時々チラチラと見ながら指をおいてゆく。科学者らしいやり方だけど、先生それは無いよ。  はやぶさが帰還して糸川先生、喜びのバレエを天国でおどっていらっしゃるかしら。

2 件のコメント:

  1. チェロの朗々とした響きが宇宙空間にあってるのかも知れませんね
    ヘタ・ウマを問わずこの楽器を耳にするときに「空間」を感じます

    さてさて、このはやぶさの旅には本当に感動しました
    町工場の数人の職人さんの技術が大いに役立っていたそうです
    私たちは最近よく「感動をもらった」と言いますが、逆に私たちは感動を頂いた方々に何が出来るのか…そうしたことを真剣に考えなければならないなと思います

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  2. それこそが糸川先生の発想の転換かもしれません。町工場の数人の方たちの技術が、日本の宇宙開発だけでなく、世界的に評価されていますね。自分がやってもいないのに、ひそかに誇りに思います。

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