2011年11月12日土曜日

奏鳴曲

藤沢 俊樹 チェロ           
高橋 恭子 ピアノ

マチネーは休日の大きな楽しみ。
ロカテッリ、シューベルト、フランクの「ソナタ」 それとカサドの「親愛の言葉」という小品。
杉並公会堂小ホールにて。

藤沢さんは合奏団や仕事でながーいお付き合い。今日のロカテッリは初めの音からハイテクニックを見せつけられた。軽やかなワンボウスタッカートで始まり、アップボウのスタッカート、もっと難しいダウンボウのスタッカートがこれでもかと出てくる。いかにも易々と弾いているように見える。そう見えると言うことはとても優れたテクニックの持ち主である証拠なのだ。初めの曲は誰しも硬くなる。しかし、今日の彼の音は初めから伸び伸びと響いた。シューベルトはごめんなさい・・・・私はシューベルトを聞くと反射的に寝てしまうのです。またとない入眠剤。心地よく休ませていただきました。ステージでは緊張してずいぶん練習も重ねて演奏するのに、客席でのんきに寝るなんて。でも、良い演奏でなければ眠くならない。それは言える。休憩の後はフランクの名曲、元は名ヴァイオリニスト、イザイのために創られたヴァイオリンソナタなのに、なぜかヴィオラもチェロも弾きたがる「ソナタ」 これは本日の圧巻。ピアノもチェロも名演だった。最後のカサドの曲は初めて聴いたけれど、ここまで来るとホールがチェロに共鳴して、響きはじめる。音の美しさと曲の面白さで客席からも大きな拍手が巻き起こった。客席の奥様に「素敵だったわ」と言ったら「年の功よ」と言う。本当に年を重ねて(でも彼はまだ私より若い)毎回よくなっていく。チェロは音が良い。昨日の健診で聴力が高いほうがほんの少し聞こえにくくなっていると言われた。これからはどんどん低音嗜好になって行くと思うので、ヴィオラ、チェロのコンサートを聞くことが多くなるかもしれない。

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