2012年3月25日日曜日

ステージ衣装

もう見栄を張ってもしょうがないけれど、そこは女ですから年齢は秘密です。さて年齢と共に変わってくるのが体型。もっとも私の場合、子供の頃からキューピーさん体型だったから生涯同じだけど、時々はお金をかけてエステで整えてもらっていたこともある。若いころは痩せていたから不足するところに詰め物すればいい。でも今は天然の詰め物が一番付いて欲しくないところに、みっしりとついている。そこで困るのがステージ衣装。既成のものはモデル体型のような若い人が来るように出来ている。作った人だってこれをデブのおばさんが着ると思ったら気持ちも萎えるに違いない。ところがそのおばさん、すなわち私はステキなデザインに目がない。痩せていた頃は既製服にサイズがなくて、オーダーメイドを着ていたので、いつも自分でデザインしていた。結構そのセンスはあるほうだと自画自賛している。しかし、悲しいかな、今はちびデブ短足、悪条件の女王だから何を着ても似合わない。だったらいっそのこと裸で歩いたほうがよいかというと、それでは公序良俗に違反して逮捕される。コンサートが迫ってくると緊張して気分が悪い。そこで、自分の気持ちを奮い立たせるために、ステージ衣装を新調することが多い。行きつけのステージドレス専門店にはもう18年も通っている。そのお店を見つけるまでは、あちらこちらのデパートやフォーマルウエアのお店を探しまわったものだけど、今はそこでほとんど間に合う。女性のオーナーがアメリカに買い付けに行ってほとんどが向こうの物なので、とても華やかで着心地がいい。なぜか日本の物は着ても動かなければいいようにできている。まっすぐに手を下ろせばきれいだけど、動くと恐ろしく動作がしにくい。楽器を弾くためには腕や肩が自由に動かないといけないのに。しかもヴァイオリンの場合は特に楽器を肩に乗せるのだから、そこにリボンやスパンコールなどが付いていては、演奏できないという悲しい条件がある。そのために気に入っても涙をのんで見送ることも多い。明日は古典音楽協会の定期演奏会なので、さて何を着るか考えた。クローゼットから何着か引っ張り出して来て、恐る恐る着てみる。絶対に前の日に着ておかないと非常に危険。あるとき地方に演奏旅行に行って、持って行った衣装が入らなかったことがある。いまだに語り草になっているけれど、楽屋で鋏でジョキジョキと裏地を切ってなんとか体を入れたと言う苦い経験があるから、それ以来必ず前日に確認しておくようになった。「古典」のメンバーはなんの打ち合わせが無くてもトーンが合う。当日集まってみるとまるで相談したかのように雰囲気や色合いがぴったり合うのは、本当に不思議な気がする。音を合わせる時も同じ。明日もきっと良いステージになるでしょう。

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