2012年3月8日木曜日

樫本大進

サントリーホール
ピアノ  コンスタンチン リフシッツ

ベートーヴェン  ソナタ第2,3,7,8番

骨格の大きな、それでいて繊細な素晴らしい演奏だった。最近私とコンビを組んでベートーヴェンに取り組んでいるピアニストのSさんとお姉さん、それにSさんの亡くなったご主人のお友達お二人がコンサートの常連。ご主人が去年亡くなって、そのあと私が時々このメンバーに参加させてもらっている。今回樫本大進なので、大喜びで参加した。樫本さんは以前一度だけ聞いたことがあって、なんと素晴らしい演奏家なのだろうと思っていた。今回すべてベートーヴェンというおそろしく大変なプログラムも心から堪能させてもらえた。特に後半の7番8番は圧巻で、日本人でありながらベルリンフィルのコンサートマスターというオケマンの頂点に立てるのもうなずけるものがあった。今ダルビッシュが大騒ぎされているけれど、日本人の音楽家はもっと世界の最高峰に行っている。それを知らない人たちがほとんどと言うのは甚だ残念なこととしか言いようがない。マスコミもほとんど取り上げないし、クラシック音楽を全く無縁のものと思っている人の方が多いから仕方がないかもしれないけれど、一度彼の演奏を聞いたらきっと虜になるだろう。今日も会場は沸きに沸いて、ブラボーが連呼された。静謐とダイナミックさが交差し、本当にスケールの大きい演奏に大満足。私も叫びたかった。「ブラビッシモ!」

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