2012年3月31日土曜日

フォームを変える。

先日外山滋さんにお目にかかった時に左手の形の話になった。ご存知のようにヴァイオリンは右手のボウイングと言われる運弓法が大変難しい。でも体はずうっとつながっているのだから右手が良くても左手に無理があると、右手にも影響は及ぶ。最近なにか右手の弓の持ち方に違和感があって色々試していたけれど、いっこうに改善されない。先日の外山さんのお話で、もしや!と思って左手の楽器の持ち方を変えてみたところ、右手(正確に言うと右手薬指)から、すーっと力が抜けて行った。だから先輩の言うことは聞くものだなあと思う。よく野球やゴルフの選手が打てなくなったり、スケートで回転できなくなったりするのは、ほんの些細な体の軸のずれだったりする。ヴァイオリンも時々と言うよりほとんど毎日音を出すことの戦いとなる。昨日はいつもよりも沢山弾いていたので、指が疲れて夜寝る時も、手全体がジンジンしていた。若いころのようにはすぐ回復しないからやりすぎは禁物。それでもフォームを変えるのは時間がかかるから、沢山弾き込まないとものにならない。生活自体は歳をとればとるほど楽しくなってきているので幸せなことだと思うが、体の柔軟性だけは元に戻りたいと切実に思う。どんなフォームでも簡単に指が回って、早いパッセージはむしろ得意とするところだった。その頃にはいきおいにまかせて弾けたから姿勢のことなどほとんど気にも留めなかったけれど、今頃になるともう正しい姿勢でないと良い音は出なくなってきている。このあと良い音、良い音程で弾くには体を上手く使わないと難しい。柔軟体操などもやらないといけないのだが、生来の無精者でどうも永続きしない。体を動かすのはあまり好きではない。だからと言って動かさないでいると関節がさび付いてしまう。楽器を弾いているのは好きなので、弾きながら関節を柔軟にする方法はないものか。そんな都合の良いことはないでしょうね。ある程度楽器のおかげで体の健康は保たれているけれど、やはりずいぶん無理もしているので、例えばスポーツのトレーニング法のような、楽器のための体の鍛え方があるはず。グチャグチャ言ってないで、さっさと練習しろと言う声が聞こえてきそうだけど。

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