2012年3月13日火曜日

消えた野良猫

昨日の火事騒ぎで一斉に野良猫が姿を消した。いきなり赤い(猫が色を識別できるかどうかはさて置いて)大きな車がウーウーけたたましい音を立てながらやってきて、大勢の人たちが大声で叫び、どやどやと走り回られれば、彼らは天変地異が起きたかと思うだろう。私も2時ころまでは起きていたけれど、その時はまだ消防車が何台も止まり続けていた。火は12時ころには収まったと思うが、後始末や原因究明に時間がかかっているものと思われる。今朝現場近くを通ったらまだ一台の消防車がいて、ものものしく黄色いテープが張られていた。焼けた家は路地の奥まったところにあって、消防車も入りにくいところにあった。昨日はなぜ川の対岸のこちらがわから消火しているのかと思ったら、その家の近くに消防車が入れなかったのだ。今朝いつも来るはずの茶トラのノラも、その付属にゃんの三毛も、大きな白猫も姿を見せない。もうあたりは静かになったのに。彼らにとっては本当に怖かったと思う。訳が分からないと言うのはなんでも怖い。古代人たちは雷や日食などに恐れおののいたに違いない。私たち現代人はもうなぜそのような現象が起きるか、危険を回避するのはどのようにしていればいいのかを知っているから、あまり恐怖は感じない。日食などはむしろ良く見える所まで追いかけていく人たちが多い。現象が始まると「キャー」なんて喜ぶ。弥生人なら腰をぬかすところなのに。アラスカでオーロラを見て大喜びをした私でも(だから私は現代人なのだ)訳がわからずいきなりこんなことが起きたら恐怖で立ちすくんでしまう。まさに昨日の夜のノラたちは、その恐怖でこの美味しい餌のもらえる場所を見捨てて逃げたのだろう。しばらくすれば戻ってくるとは思うけど、人間のように理由がわかっていず、ただただ怖い思いをしたのが不憫。逆に言えば危険をいち早く察知して身の安全を確保する能力は猫の方が高いかもしれない。そんな時猫は考える。人間は生き延びるのが下手で不憫だ・・・にゃん、なんて。

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