2012年12月24日月曜日

第九は寒い

毎年恒例のしもたかフィルの第九。道行く人たちに聴かせるために演奏会場の小学校のアリーナの窓を全開にしてしまう、ものすごく寒い演奏会。聴く人たちも寒い戸外で震えながら聴く。しもたかフィルは私たちの友人東さんご夫妻が主宰するアマチュアオーケストラで、下高井戸と近隣の人たち、東さんのお弟子さんや友人が集まっている。メンバーはうらやましいほどたくさんいる。あまりにも寒いのでソリストの歌手たちはドレスの上に毛皮のショールなど掛けているが、弦楽器奏者はそうはいかない。私はウールのタートルネックにもう一枚セーターを着込んでいった。一番風の良く入る窓際だったから、もろ冷たい風に吹かれる。手はかじかみ、弓を持っていられなくなる。気がつくと生徒にやってはいけないと注意するような弓の持ち方をしていた。指が突っ張ってがちがちになる。普段こんな持ち方をしているのを見ると注意していたのに、自分がそんな持ち方しかできなくなるとは思いもよらなかった。隣は東響時代の先輩Yさん。同じく東さんとは仕事仲間で、わたしの古い知り合いだから、久しぶりに会うと懐かしい人の名前が出て、昔話に花が咲く。助かるのは聴く人も弾く人も寒いから4楽章の一部カットバージョンで短く終わること。そうでなければ一杯ひっかけるかなにかしないと凍死する。今日は昼間の本番でまだ暖かい方だから良かったけれど、去年は日が落ちてからだったから、もっと寒かった。実際の気温はもちろん、暗いと余計寒々する。昨夜から今朝まで咳き込みが激しくて、風邪がぶり返したかとおもったのに、こんな寒いところでも本番には咳が出ない。これが本当に不思議。吉行和子さんという女優さんがいる。ひどい喘息でふだんは激しく発作が絶えないのに、ステージに立つと出ないということを、読んだか聞いたかしたことがある。だから周囲からは怠け病だといわれるそうだ。これがどんな脳の働きによるのか知りたい。それがわかれば咳は自己コントロールできるのではないか。そんな研究をしている人はいないのだろうか。とにかく元気で来年もこの寒い第九が弾けるとうれしい(???)とは思っている。

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