2012年12月2日日曜日

家庭コンサート

馬込のYさん宅にて。Yさんは私の古いアンサンブルの仲間でピアニスト。今から何年前になることか・・・鳩山寛さんのグループで弾いたり、ローラ・ボべスコの前で演奏させてもらったりと、よくお付き合いしていた。最近はしばらく会っていなかったけれど、ある日電話がかかってきて懐かしい声を聞いた。それはYさんの実家のご両親が無くなって家が空き家になっているので、そこでコンサートをしたいのだけど弾いてもらえないか、という依頼だった。お母様が生前、このうちをなにか文化的なことに使ってほしいとおっしゃっていたそうで、その御遺志を継いでのことだった。それはとても素敵なことなので二つ返事でOKしたものの、このところオーケストラの練習やロンドンアンサンブルの来日を控えてヴィオラを弾いたりするので、はたして演奏の方が上手くいくだろうかと心配ではあった。お客さまは一度に沢山入りきらないので二日に分けて、今日と6日に決まった。初めはベートーヴェンの「ソナタ8番」後はクリスマスシーズンと言うことでシューベルトとグノーの「アヴェマリア」など小品を揃え、締めくくりは「チャルダッシュ」目の前に聴衆がいるのは結構緊張するもので、それでも熱心に聞いて頂いて、非常に楽しいコンサートとなった。そのあとはお客様たちとランチをご馳走になった。それがYさんの妹さんと2人の御嬢さんの手料理。と言っても普通の家庭料理ではない。本格的なものでメニューを紹介すると
食前酒はイチゴのカクテル
ビーツのムースゆずの香り
ほたてとあまおうイチゴのマリネサラダ
北海道産ブロッコリーのポタージュ
サーモンの低温料理ベーコンクリームと共に
ごはんと菊花のお椀
モンブランのクレープ
コーヒー
音楽の話よりも熱心になってしまうのは、音楽家はみな食いしん坊だから。特に低温料理と言うのを初めて食べたけれど、生でも食べられるような新鮮なサーモンを砂糖と塩をまぶし寝かせ、そのあとハーブのオイルに漬け込み、42,3度の低温の油で揚げるのだそうだ。ほとんど生のように見えて生ではない。本当に美味しかった。しかも時間もゆっくりかけていただけるし、庭を眺めながら自宅にいるような雰囲気でいられる。コンサートを聴いた後にゆっくりとするランチ。これは弾く側でなく、ぜひ聴衆の側に回りたい。

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