2012年12月22日土曜日

ロンドントリオ小田原公演

昨日まで痛かったのど、ひっきりなしに出る咳と戦っていたのに、今朝すべてピタリと治まった。不思議なことなのだが、本番に向けて体調が良くなるのがいつものことで、少しくらいの風邪なら治ってしまう。それほど緊張が高いと言うことなのかもしれないが、とにかく体調はすこぶる良い。さすがこの道数十年のベテラン、プロ根性を見せたと思っていたら、そのあとがいけない。肝心のステージでは心臓バクバクで時々迷子になると、それと察してトーマスがすかさずフォローしてくれる。すぐ這い上がれるのがやはり古狸、古狐、古猫の類だから。しかし、練習はやった回数だけの効果はある。比較的難しい所はクリアするのに、易しいところでミスをする。今日も帰ってからフィギュアスケートを見ていたけれど、練習の時と本番はかくも違うものかとため息が出た。今日のミスは数え間違え。古狸になると脳みそも古くなっているから、時々ポカをやる。そのミスを聴衆に悟られないようにしないといけない。去年のDVDを見た人が、ミスをすると私は舌を出す癖があると言ったそうだ。それはやめてねと美智子さんに注意されたので、今年はやっていないと思うけれど、自信はない。
曲目は東京文化会館でのコンサートとほとんど同じだが、パッサカリアがなくなって碓井志帆さんのヴァイオリンソロになった。朝からかなりの雨が降っていたけれど、本番にはすっかりあがったので一安心。客席はほぼ埋まって非常にエキサイティングなコンサートとなった。圧巻はトーマスのチェロ。彼はヨーロッパでの活動もチェロと指揮と両方なので、曲の隅々まで熟知している。それで私が迷子になるとすぐに助け船を出せると言うわけ。ずいぶん助けられた。すっかり弱気になって、もう来年は弾けないかもしれないと思っていたけれど、トーマスがとても美しい演奏だったと言ってくれたので、どうしようかなー。ほら、喉元過ぎれば熱さを忘れる。お世辞にきまってるのに。

2 件のコメント:

  1. 佐野@西湘フィル2012年12月23日 6:50

    先生、演奏会お疲れ様でした。
    拝聴いたしました。とても素晴らしかったです。
    チェリストは天才的ですが、音楽はおおらかですね。
    とても心地よいオーラで全体がつつまれたような、印象的な演奏会でした。

    青いドレスが素敵です。
    また聴きにまいります。

    12/23は西湘フィルの小さな本番があります。
    小さくても、ここ数か月練習してきました。
    きっといい演奏になると信じて、楽しんで演奏してきます。

    返信削除
  2. 聴いてくださってありがとうございました。
    ロンドンアンサンブルは飛び抜けたアンサンブル力が
    あるので、一緒に弾いていて本当に楽しいです。
    特にチェロのトーマスはすばらしい才能があります。
    西湘フィルも皆さん本当に音楽の好きな人たちの
    集まりですから、練習でもコンサートでもおおいに
    楽しく演奏してください。

    返信削除