2013年9月28日土曜日

「古典定期」満員御礼

昨日の定期演奏会には大勢の方々が来てくださいました。毎回、東京文化会館小ホールが満席になります。いつも聴いて下さる方々、ありがとうございます。こうして60周年の記念コンサートを無事に開催出来ましたのも、長年のお客様のサポートがあってのことと、御礼申し上げます。

さていつもながら緊張するのは、古典音楽だけのプログラムなので音が薄い。ちょっとしたミスも全体に影響してしまうから、常に氷の上を歩くような慎重さが要求される。不協和音などはあまり使われていないから音の響きが純粋で、和音が常に澄んでいないといけない。チェンバロの音はかそけきもので、協奏曲では最小限の音しかだせないので、ずっと忍の一字で弾くことが多い。特に今日演奏したエマニュエル・バッハのチェンバロ協奏曲は音の動きが当時としては斬新で、お父さんの大バッハよりも人気があったのだそうだ。当時斬新と言っても、今でも斬新に思えるほど音型が変わっている。今まで数回演奏したが、毎回音を確認してさらい直さないと間違える。非常に才気溢れるすてきな曲であることは間違いないのだが。
4つのヴァイオリンの協奏曲はソリスト4人が何回も集まって練習をしたのに、最後の練習日までがたがた意見がわかれて無事に行けるのかと危ぶんでいたが、ふたを開けてみればさすがに長いこと一緒に演奏した人達なので、結局本番が最高のできばえとなった。自画自賛となってしまうが、やはり長年の積み重ねが物を言ったということになる。一人一人はごく平均的な演奏家なので、華々しい活躍をして世界を股にかけるような人はいないかわり、穏やかに相手の意見を聞きなんとかまとめようという気持ちが一つになると、4人ではなくてその何倍にもパワーが出る。それがスター的な人もいないのに根強い人気を保っている「古典」の強みだと思う。聴いて下さった人達が一様に口をそろえて言うのは、そのことにつきる。リピーターが多い。中にはもう数十年に亘ってのお客様も。ほんとうにありがとうございます。








4 件のコメント:

  1. 毎回満員ですか、リピーターが多いなんて素晴らしいですね。次回は是非、nekotamaさんのソロを聴かせていただきたいと思います。

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  2. ありがとうございます。
    古くからのお客様が多いのですが、最近は若い人も聴きに来てくださるようです。
    心癒やされるとおっしゃって。舞台上の私たちはドキドキですが。

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