2013年9月2日月曜日

石(いわ)走る「たるみ」のうえの

石走る垂水の上の早蕨の萌え出ずる春になりにけるかも・・・ドレスをアレンジしていたら急にこの志貴皇子の御歌が口から出てきた。鏡の前で新しいドレスの背中が開きすぎているのをストールで隠せないかと工夫をしているときだった。「垂水?」そう「たるみ」体のほかの部分は自信がなかったけれど、背中だけは日にさらされていないので白くすべすべだったのに、鏡で見たらたるみが目立つ。このドレスを買ったときに、背中を気にしていたら、ステージドレス専門店「メイミイ」のオーナーのメイミイさんが、こうして前に寄せて胸に持っていくのよと上半身をお辞儀した状態で、背中から胸に肉を移動させる実演をしてくれた。なるほどその時だけは胸は急に豊満になり、背中のたるみが消える。意気揚々と引き揚げてきたが、しかし数分も経たないうちに背中にはお肉のたまり場ができてしまう。それでも毎日寄せていると効果はあるらしいが、普段背中を気にすることがないので、すぐに忘れてしまう。おしゃれをするのはなかなか骨なので、不精の権化である私は忘れっぽい性格と相まって、肉体改造は夢のまた夢。ドレスを着るたびに溜息をついてしまう。最近始めた筋トレも外見を変えるのが目的ではないから、もし変えたければそれなりの運動を取り入れてもらわないといけない。この背中は赦しがたいので、トレーナーに相談してみるか。トレーナーが言うには体のどこか重点的にというのは無理らしい。筋肉は全部動かしてこそ効果があるそうで、トレーニングはいつも全身くまなく行っている。週1回だけでどれほど効果があるかは疑問だが、やらないよりはましかな。いつまでも背筋のピシッと伸びたおばあさんになりたい。生涯の最後まで一人で毅然と生きるのが理想だけれど、現実の私は人に面倒みてもらうのが大好きで、すぐ泣き言を言う。理想にはまだまだ近付けないようだ。日中歩きながらも「いわばしる」が口をついて出てきたのにはまいった。

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