2015年5月29日金曜日

イザイは沈没

しばらく空いてしまった例会「弾く会」
今日は久々に集まった。

これからコンサートを控えているNさんは、ラヴェル「オンディーヌ」
今日は渾身の演奏をきかせてもらった。
Sさんは私と8月に演奏する予定のフォーレ「ソナタ」
家主のOさんはバッハ「トッカータ」
ソプラノのMさんはパーセルの唯一のオペラ作品という「ディドとエネアス」よりディドのアリア。

私はフォーレのほかにもう一曲、イザイ「バラード」
この曲は以前コンサートでも演奏したけれど、難曲だから思い通りには弾けなかった。
その時は仕事が立て込んでいて練習不足で不本意だったから、今回は練習をしてもう少しましになるかと期待して臨んだのだけれど、やはり力がたりなくあえなく撃沈となった。

なにが難しいかというとまず音程。
全音階的に始まる、冒頭の部分が特に難しい。
全音階というのは平均律でなく、オクターブを6等分した音階。
ドレミファ♯ソ♯ラ♯(ド)となる。
それから4半音という指定が出て来る。
これは4分の1音、高めか低めの音程をとる。
例えば同じミの音でも指定に依って、少し高く又は低くとらないといけない。
しかも曲全体のテクニックが難しいから、そんなことかまっちゃいられないと言いたいけれど、そこは指定通りに弾くように努力しないと。

そして一番の問題はボウイングに尽きる。
完全に脱力が出来て居ないと、和音の響きが得られない。
冒頭部分で全音階的な和声が、弱音で出て来る。
ここをいかに上手く弾くかは腕の見せ所。
しかし、見せる腕を持っていないから、ただの変な音になってしまうのが悔しい。
今日は特に楽器が湿気をはらんでいて、鳴らない。
そうなると力んでしまって重音が共鳴しない。
これから梅雨の時期、弦楽器奏者には最悪の季節となる。

とまあ並べるときりがない。
それに最近指が曲がってきているので、押さえるポイントが微妙にずれる。
曲がらないうちに弾いておけばよかったと、後悔しきり。
年には勝てないけれど、その分弾く喜びが強くなっているので差し引きトントン。
人生、上手く出来ている。

難しい曲は人前で弾くのはもう無理だから、仲間内だけの会で何回も弾かせてもらおうと思っている。
迷惑を被る彼らのことを考えると、気の毒で・・・(涙)
フォーレも何か今一つパッとしない演奏になって、今日は意気の上がらない日になった。
フォーレは転調が多くて音程が決りにくく、もう少しなんとかしないと人前には出せない。
音型は単純なのにねえ。
シンプルなものほど難しいと弁解しておこう。

終ってからの楽しみは勿論「食い気」
近所の中華料理屋さんで家庭的かつ独創的な料理を頂くのが、この会の牽引力となっている。
弾くのがいいか食べるのがいいか、それは両方。
イタリア人の人生は
マンジャーレ カンターレ アモーレだそうだけれど、私たちはアモーレはさておいて、このうちの二つは条件を満たしている。

クラス会の幹事の相棒Kさんも近くに住んでいるので、今日はご近所の誼で食事会に参加。
大いに話しが盛り上がって、笑いが渦巻く楽しい夕食になった。





















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