2020年7月4日土曜日

池袋

まさか池袋がコロナ感染数1位とは知らず池袋へ。
ハリー・ポッターの6巻が大詰を迎え、先生のルースさんとワクワク読んでいた場所は池袋の某所。
朝の報道で感染者数が非常に多いと聞いてぞっとした。
雨模様だったので人は少なかったけれど、コロナは人が通った後や触ったものや、あるいはくしゃみをしたときに拡散する。
油断はできない。
そうとも知らずルースさんと街を歩きながら、新宿は怖いなんてのんきに話していた。

熱中症が怖いのでクーラーをつけっぱなしで寝る。
朝方少し冷え込むこともあって、鼻かぜ気味の時は電車に乗るのがはばかられる。
咳喘息はずいぶんよくなったけれど、時々せき込むこともある。
自宅なら遠慮なく咳ができるけれど、電車で咳をしたら白い目が飛んでくる。
向かいの座席に座っていた男性が大きなくしゃみをした。
見るとマスク着用なし。
胸倉つかんで詰め寄りたくなった。

その日のレッスンは3時間ぶっ続け。
コロナ騒ぎですっかり暇になったので、たくさん読むことができた。
いままでは章の半分を1時間かけてのレッスンだったけれど、早く読まないと終わる前に私の認知症が進んで読めなくなるといけないから、スピードアップすることに。
それに今や物語はクライマックスを迎え、面白くてたまらない。
いつも聞いているルースさんも、もっと読みたいというくらい激しく展開する。

読みながら私は声優なんて言う職業も良かったなと妄想。
顔が顔だから女優は無理。
声が声だから声優も難あり。
でも昔から読むのは得意だったから、ひょっとしていけたかも。
ルースさんがじっと私の顔を見て、あなたのRの発音はとても良いと褒めてくれた。
何のことはない、私猫だから。
喉の奥でゴロゴロ。

さすがに3時間慣れない英語、しかも最近さらに難しくなった内容と格闘しながらのレッスンはこたえた。
作者のローリング女史の戦略は徐々に難易度が上がる。
読んでいる子供の成長に合わせて、単語もどんどん新しくなる。
これはすごい!
1巻は今から思えば本当に易しかった。
中学校の英語が十分通用。
しかし、いまや17歳になったハリーに合わせてレベルもそれなりになった。
中学校以来まったく英語を勉強してこなかった私は、すべてが新しい単語や言い回しで眩暈がするほど難しい。
ローリングさんの教養がそこここに散りばめられていて、うっかり読み落とすともったいないから一言一句丁寧に読んでいく。

ラテン語や辞書には出ていない使い方もあって、ルースさんがいなければほとんどわからなかったと思う。
彼女の忍耐強さはやはりヴァイオリンなどという面倒くさい楽器をやって培われたと思う。
怠けものを目指す私でさえ、好きなことには忍耐強い。
よくも60数年、飽きずにきたものだ。

思えば言葉に関しては私は国粋主義者。
日本語の美しさに子供のころから魅了されていた。
中学校の英語の先生がことごとく気に入らなかったので、英語に対する興味を失った。
でも中学校でハリー・ポッターのような物語を読ませてくれたなら、今頃私は英文学者になっていたかもしれない。
なにごとも出会いなのだ。
中学校でヴァイオリンを習っている同級生がいなければ、彼女が音大付属高校を受験しようと私をそそのかさなければ、今頃私は熱帯の森で安らかに木にぶら下がっていたかも。
それでもすべて最初から敷かれていた道なのだと思う。




















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