私が毎日テレビを見て怒り狂っているのを心配した人にAmazonのfire videoをセットしてもらったので、先日からつまらないテレビを見るのをやめて、こちらに切り替えた。
コロナ関係のバカバカしい対策を見ると、腸が煮えてそろそろ食べごろになっているから。
今朝は旅行先でコロナ感染した人に、見舞金10万円と来た!
ほんとにまったくもう!あ、いかんいかん、憤死してしまう。
昨日は軽井沢や追分から連絡があって、北軽井沢にはいつ来るの?との問い合わせ。
予定としては今頃行くつもりで連絡しておいたので、待ち構えていてくれたらしい。
しかし今週は週末まで雨が途切れそうもないから行くのをやめて、再来週に持ち越しと言って家に引きこもることになった。
それでprime video見たい放題。
なるべくお金がかからないように最新の映画などは値段を見てから決める。
こういうところは私は随分締まり屋なのだ。
無料で見られる映画は、それこそ一番うしろの方に追いやられている。
そこで見つけたのは古ーい映画「オーケストラの少女」
失業中の父親とオケマンのために少女が八面六臂の活躍、ストコフスキーを指揮者に引っ張り出しコンサートを大成功させるというドリームストーリー。
これを私が見たのは確か小学校に入る前後だったのではないかしら。
少女の父親役がアドルフ・マンジュウ、この人は私がもと所属していたオーケストラの名物トランペッターの中木十郎さんそっくり。
見ているうちに十郎さんが演じているような気分になった。
日本のオケマンの草分け的存在。
それはそれは格好良かった。
トランペットのケースが重いからと言って、なんと新聞紙にくるんで小脇に抱えて来たことがある。
バックスキンの真っ白なコートを着て、当時の男性には珍しいウエスタンブーツを履いて、飄々と歩いてきたのには皆度肝を抜かれた。
白いコートの襟に毛皮が使われ、見頃の両サイドに華やかに刺繍が施されていた。
今でこそ男性がおしゃれなのは珍しくはないけれど、当時としてはぶっ飛んでいた。
今でもあれほどのおしゃれさんは珍しい。
顔は日本人離れしていて鼻の下にひげを蓄えて、本当にアドルフ・マンジュウを彷彿とさせた。
十郎さんを堪能したあとはビング・クロスビーの「我が道を行く」
新しく赴任した神父が、財政危機にひんしている教会の立て直しを図るという筋書き。
これを見つけて小躍りした。
ビング・クロスビーは私が一番好きな声の持ち主。
そうねえ、プレスリーとどちらが良いかと言われると、う~ん。
ベルベットのような柔らかい声とすみれ色の瞳。
他のスターに比べて多少小柄で頭がはげている。
彼くらいのハゲ具合が一番よろしい。
すみれ色の瞳はカラー映画になって初めて知ったのだけれど、この映画は白黒。
残念ながら瞳の色を見ることはできなかった。
これを読んでくださっている人はこんな古いスターはご存知ないかも。
でもホワイトクリスマスがクロスビーの定番だったから、耳の片隅で、もしかしたら聞いているかもしれない。
私は子供心に彼の声にしびれ、今でもしびれている。
それから私の一番好きな俳優、ベネディクト・カンバーバッチのシャーロック・ホームズ。
これはさすがに有料。
カンバーバッチは奇っ怪なイギリスの俳優さん。
彼の主演映画「イミテーション・ゲーム」は今まで見た映画の中では最高位。
第2次世界対戦中、ドイツ軍の暗号「エニグマ」を解くためにイギリスの数学者たちが集められた。
攻撃の成功のために敵にも味方にも暗号を解いたことを隠さなければならない、そのために味方からも敵視される科学者の苦悩を見事に演じていた。
彼は同性愛者で、そのために罰せられ悲惨な生涯を閉じた。
コンピューターの創始者は戦後、その名を国家からも封じられてしまった。
戦後何十年も封印された彼の名を明らかにしたのは、イギリスを訪問したアメリカのオバマ大統領だった。
彼の名前はアラン・チューリング。
やっと名誉が回復されたのはつい先ごろなのだ。
「エニグマ」といえばイギリスの作曲家エルガーの「エニグマ変奏曲」
数年前にイギリスから来たロンドンアンサンブルのコンサートで私も弾かせてもらった。
たった5人のメンバーでオーケストラの複雑なパートをひくのだから、それはものすごく難しかったけれど、私が生涯で弾いた中でもとりわけ印象に残る曲だった。
日本ではイギリスの曲はあまりメジャーではないけれど、とても素晴らしい曲が多いから、ぜひ聴いていただきたい。
どうやら北軽井沢に行かなくても、こんな楽しみがあるので出かけなかったような気がする。
これはいけない。
あの清らかな空気を吸わなければ、コロナに打ち勝てないかもしれないから、8月のお盆過ぎからでかけよう。
そういえばマンジュウもカンバーバッチもクロスビーもみんな頭の半分くらいまで禿ている。
なんだ、そこが私の落とし所だったのか。
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