2020年7月4日土曜日

膝栗毛

十返舎一九「東海道中膝栗毛」
この膝栗毛とはなんぞや?と先日テレビでクイズの問題となっていた。
こたえは物知りで有名な解説者I氏。
ところがその説明があまりにもあいまいで、あれでは聞いた人たちはわからないと思った。
それはこんな風だったと記憶している。
栗毛というのは馬のことで、昔は馬でよく旅をしましたね。東海道の旅の話です、みたいに言ったと思う。
おや?膝はどうした。
もしかしたら編集されて肝心なところが切られていたのかもしれないけれど、わけがわからなった。
私の聞き間違いだったらIさんごめんなさい。

解説者なる職業は本当は何というのだろう。
評論家?
最近は情報にコメントするだけでコメンテーターという職業も成り立っているようだけれど。

栗毛とは茶色い馬(毛色)
胴は赤黒く尾とたてがみが赤茶色。
膝栗毛は人間の膝を栗毛の馬に例えている。
それをつかって旅をする、馬ではなく膝を使うので徒歩旅行のことをいうのだけれど、そこのところの説明がすっぽり抜けていたので驚いた。
それ言わなきゃ意味通じないじゃない。
ご本人も知らなかったのかな?

毎日うちで無聊な日々を送っているから、些細なことが文句の種になる。
知ったかぶりはこの辺にして・・・
私は馬は葦毛が好き。
すごくおしゃれに見えるのだ。

評論家と言えば、私の一番嫌いな職業。
野球の解説なんかも「あー、ここで打たないといけませんね~」なんて。
それではあなた、打ってみなさいよ。
「これはやってはいけません」なんて、やってはいけないことをやりたくてやっている人はいないのよ、あなた。
音楽評論家に楽器の名手はいない(と思う)
自分が演奏する立場だったら他人をとやかく言えないはず。
自分が名手だったら御託並べている間に、一曲でもたくさん演奏していたいと思うだろうし。

今までで一番おかしかったのは、わが「古典音楽協会」の記念的な定期演奏会の時。
いつもどおりお客さんは超満員。
そして普段は聴いてもらえない評論家の皆さんもご来場したらしい。
後日、音楽雑誌に出た記事を読んだメンバーは爆笑した。

メンバーの中にS氏という有名な演奏者が名を連ねていた。
しかしこの時の演奏会には出演していなかった。
1流オーケストラのトップメンバー、有名大学の教授で、なかなか御多忙なので。
彼抜きでのコンサートのはずだったけれど、評論家氏の評論は、彼の演奏が素晴らしかったと書いてあった。
私たちの知らないうちに彼は演奏しに来ていたのかな?
彼さえ褒めておけば何事も平和なのだ。
演奏していなくても褒めてもらえるのはいいなあ。

しかし、その時の彼のポジションのメンバーはやせ型。
S氏は手を前足と呼ぶほどがっちりとした体形で、遠目にもその違いは一目瞭然。
すると・・・この記事を書いた人は会場に足を運んでいないということ?
情報通によれば、そんなことは日常茶飯事だそうなのだ。
評論家同士で協議して、今回はこの流れでいこうと決めるらしい。
それを真に受けてやってくるお客さんこそいい迷惑。

実際私が一時期所属していた弦楽四重奏団。
あまりにも音程が合わないので気持ち悪くてやめたけれど、コンサートをすれば某有名評論家の絶賛が毎回雑誌に載る。
メンバーの一人が彼の旧友。
しかもお金持ちで金に糸目はつけない。
ほかのメンバーは一流大学教授。
これではいい点数がつくに決まっている。
その評論家は日本のトップクラスだったから誰も逆らえない。
しかし、それ以来私は演奏会の評論は決して信用しなくなった。
自分の耳でちゃんと確かめることにした。

あまり有名ではない人のコンサートに行って、思いがけず感動することはある。
バッハの連続演奏をした日本女性Wさんの素晴らしい演奏を聴いたすぐそのあとで、同じ会場でやはり同じバッハを聞いたことがあった。
ドイツ人の日本ではあまり聞いたことのない名前の男性だった。
Wさんは素晴らしかった。
本当に上手かった。
けれど、ドイツの若者の演奏では、なるほどバッハはこう弾くのかと感動させられた。
本物だあ!
ごつごつしてそれほどテクニシャンではないかもしれないけれど、魂はまねできないと思った。
評論家はWさんを絶賛するだろう。
けれど、私は楽器のうまさってなんだろうと考えさせられた演奏会だった。

東海道からドイツまで、話題の幅が広がって、私は家にばかりいて、体の幅が広がって、次にコンサートができるころには、どのドレスも入らなくなっているかもしれないと恐怖ですのにゃ。





















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