2020年7月14日火曜日

玉ねぎは優等生

今年の初め、コロナ新型肺炎が日本に蔓延し始めた。
初めは中国の武漢というところで発生して、じわじわと日本にも上陸。
横浜港に停泊したクルーズ船から始まった感染があっという間に拡大。
日本中を目に見えない感染症の恐怖に陥れた。
私は原因がわかっているものとか理屈に合うことなら怖くはないけれど、こういう目に見えない脅威に弱い。
すごく弱い。
お化けも怖い。

昨年暮れにひいた風邪の後遺症で咳喘息の薬を始めることになった。
ステロイドを治療に使うというから、薬が怖い私は本当に病気になってしまった気分。
結果としてステロイド治療はすごく有効だったけれど、毎日コロナの報道ばかりのテレビを見て、自宅から出なくなると健康に問題が出てきた。
血圧が異常に高い。

ここ10年来コレステロール値が高く、検診の度に薬を勧められていた。
いつも薬ではなく食事で直しますと突っぱねていたけれど、中々思うようにはいかない。
たまに病院で血圧を測ると異常に高い。
一番高かったのは血圧の上の数値が171という数字。
今まで血圧が低くて問題が多かったのに、いきなり171はないでしょう。
測り間違いかと思ったけれど、その状態がひと月ほど続いたから、これはいかんと真剣に考えた。

家族の病歴を見ると血管関係が多い。
自分もこれは遺伝的なもので仕方がないと思ったけれど、ついこの間まで低血圧だった私が急にこんなに数値が跳ね上がるのは、どこかに病気が発生しているのではないかと心配だった。
そのころから右足のくるぶしからふくらはぎにかけて、しびれや痛みを感じていた。
ステロイド治療の時に医師に相談すると、足梗塞ではないかと言うので検査しても、血管はすごく若くて血流も滞っていない。
整形外科のレントゲン検査でも異常なし。
結局ビタミン剤での治療で症状が改善された。

前置き長い!
それで玉ねぎさんの登場となる。
コロナが怖くて買い物もままならない。
冷凍できるものならいいけれど、野菜はどうしても新鮮なものが食べたい。
それで保存のきく玉ねぎが突然脚光を浴びるようになった。
他の野菜はジャガイモなどを除いて保存は短期間。
葉物野菜なんてすぐにダメになる。
保存がきくことにおいて玉ねぎはダントツ。

以前我が家に遊びに来たハープ奏者に夕飯をごちそうしたら、彼女のお母さまから自宅でとれた玉ねぎをひと箱いただいたことがあった。
こんなたくさんどうするのと思ったけれど、玉ねぎは他のなんにでもよく合う。
生でも煮ても炒めてもおいしい。
ひと箱ぺろりとあっという間に平らげたのを思い出して、大量に買ってきた。

渋谷の音楽教室で教えていたころ。
夕方からのレッスンがあって、その前に軽く腹ごしらえをしたかった。
教室の近くで探したら、地下に降りる階段の奥に食事のできそうな店を見つけた。
感じの良い雰囲気で開店したばかりで空いている。
仕事の前だから飲めないけれど、ご飯食べさせてもらえます?と訊いてカウンターに座った。
そのカウンターは幅が広くて、大皿にお惣菜風の料理が盛ってある。
肉、魚、チーズ、卵などを燻製したものや野菜の煮物など。
玉ねぎを丸ごと煮込んだのがあるけど食べますかと訊かれたので、注文した。
ゴロンと大きな玉ねぎがだし汁に浸かって出てきた。
これはおいしい。
次々にあれもこれもと言ったら、もうその辺でやめた方がと断られてしまった。
その後そのお店に友人たちを連れて行って、一押しは玉ねぎと言ってむりやり食べさせたら評判は上々だった。

それで今年初めから玉ねぎを毎日食べていたら、最近血圧が安定してきたのでびっくり。
玉ねぎを丸ごと前日に煮込んで自然に冷まし、冷蔵庫で冷やして次の日食べる。
温めてもおいしい。
玉ねぎは煮込むときにベーコンを入れるとおいしい。
スープに少し塩味があるから、あとは玉ねぎ自身の甘みと塩を一つまみ入れるだけで味付けはオーケー。
今は血圧の上の数値は120あたりで止まっている。
これならコレステロール値も低くなっているかもしれない。
今まで検診は面倒だからめったに行かなかったのに、この次に受けるのが楽しみになってきた。

玉ねぎだけの手柄ではないかもしれないけれど、甘くておいしいから食べるのが楽しみ。
薬だと思わずに単に美味しいと思っていたのに、こんな効果があったなんて。
昨日散歩の帰り道に立ち寄ったスーパーで、小ぶりの玉ねぎがネットに入って売られていた。
ネットには10個くらい入っているので重い。
散歩の帰り道で足が痛くなっているところで気が進まなかったけれど、レジ袋にも入れずぶら下げてきた。
パリジャンがフランスパンを抱えて歩くのとは、だいぶ趣は違うけどね。










































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