2020年7月6日月曜日

体重増えすぎ

注文してあったイタリア製の薄緑色のドレス。
やっと届いたので胸を躍らせて試着したら、左わき開閉のファスナーが閉まらない。
背中の開閉ならなんとかごまかせるけれど、わきの開閉だと中身のお肉を挟みそうで怖い。
やっと上まで上げたはいいけれど、ぴったりとウエストに張り付くデザインは、最近のコロナ太りでため込んだ贅肉を否応なしにさらす。
ボンレスハムか?いらんところにくびれや盛り上がり。
これはいかん。
リフォームに出せばなんとか着られそう。
けれど、凝ったデザインで手間が大変そう。
手間の割には効果は少ないと見た。
諦めて返品することにした。

コンサートはいつ再開できるかわからないので、ドレスだけ用意してもむなしい。

海外のブランドは欧米人の体型で作られているから、胸は豊かに、ウエストはあくまでも細く、丈は長い。
これを丈は短く、ウエストはうえフト、胸はふにょふにょ体型の私が着るのは無理がある。
それを何とかして着ようと努力するのには訳がある。

デザインが面白い。
とびぬけているのはイタリア、素敵なのはフランス。
イタリアのデザインはあくまでも色は明るく、肉体をなるべく露出するようにできている。
腿の上の方から割れているスリットや胸元が大きく開いていて、私が着るとおへそまで見えかねない。
おへそは、でも見えない。
なんせその上にたっぷりとお肉が盛り上がっているから。

胸元は少し上まで縫ってしまう。
スリットも同じく。
それでなんとか凌いでいるけれど、ウエスト辺りのすっきり感は全くなくなる。
というのも、その辺の贅肉を隠すために、なにかしらドレープを寄せたり、ベルトをこしらえたりで、せっかくのドレスがダサくなる。
残念無念だなあ。

若くてやせていたころはなんでも少し詰めれば着られた。
詰めるのは簡単でも増やすのはプロの手を借りないと無理。
せっかく改造しても思ったような効果が出ないことも多い。
ドレスをデザインする人は、まさか自分のドレスを日本の子豚ちゃんが着ると思って作ったわけではないから、パーツの位置とドレスの曲線の位置がずれる。
これが着こなしを台無しにする原因なのだ。
だから自分に合わせて作ればいいかというと、そうでもない。

ステージ用のドレスを注文して作ったことがあった。
ドレスメーカーは日本の洋裁の型紙の取り方で作るから、曲線的ではない。
ステージドレスはいわば運動着。
それを着てただ立っているわけではなくて、腕が動きにくいと演奏に差し支える。
オーケストラは座って弾くので、座ったときにもきれいに見えないといけない。
しかし、まったくそれを理解できないメーカーは、日本式の平面的な型紙で作ってしまった。
立って腕を下ろしていればまだしも、腕を上げると肩がつかえる。
手を下ろすと妙に肩幅が広すぎるで、何回仮縫いしても話が通じない。
口を酸っぱくして「ここを1センチ詰めて、こちらはもうすこしたっぷりね」「は~あ」
根負けして本縫いへ。

演奏旅行にそのドレスを持参した。
ベッドの横にハンガーに掛けられてうなだれているドレスを見たら、可哀そうに、私の体型そのままだった。
見苦しい。
結局私の体型が悪いのが諸悪の根源なのだ。
ちなみに欧米のドレスは立体的にできているから、それだけ見るともこもこして見える。
けれど着てみるととても着映えがするし動きが楽。

その後、センスの合うメーカーさんと出会って、さんざん服を縫ってもらった。
その人は同じアパートの住人だったから、なにもかも好都合で、いろいろなデザインを考えては縫ってもらった。
着物を仕立て直してスーツにしたのは、まだそんなこと流行っていなかった頃の私のアイディア。
ヒョウ柄のアンサンブルを着て京都の都ホテルに行ったら、デザイン関係のかたですか?と言われた。
ヒョウ柄なんてまだ大阪のおばちゃんですら着ていなかった頃の話。
ほっそりとして目を輝かせて人生を大いに楽しんでいたころの自分は・・・あれは本当に自分だったのかしら。
サイズ5か7なんて・・・

あれが自分なら、今ここにぼんやり座っているこのお肉の塊は一体誰?














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