2020年7月15日水曜日

ノラ山羊のポニョ

電車の線路脇の崖に住み着いてしまった子山羊さん。
崖崩れ防止のコンクリートの壁の格子状になったところが足場がいいらしく、そこを飛び歩いて幸せそうに草を食べている。
山羊は本来気が荒い方だと思うけれど、元飼い山羊でたぶん可愛がられていたと見えて、表情がおっとりしている。
おなかが満たされるといかにも満足げに目を細めているのが可愛い。

オットセイのたまちゃんの大騒ぎを思い出すと、少し心配なのは必要以上に構う人がいることなのだ。
日本人の動物に対する態度は、自分も同じ動物である自覚がないというか、自分たちは特別だと思っているというか、かなり動物には意地悪。

公園で、近所の子供が遊んでいる子猫にいきなり石を投げた。
猫はなにも悪いことをしていないのに。
それで恐いおばさんに怒られた。
「この猫があなたに悪いことしたの?」「しない」
「じゃあなんで石ぶつけるの?」「うーん」
「小さい猫は大きな人間にいじめられたらすごく怖いんだよ。あなたが大きな人から石を投げられたらこわいでしょう?悪いことしてないのに嫌でしょう?だからやめなさい」
この子は大きな人から石をぶつけられるよりも、小さいおばさんから叱られる方がよほど怖かったにちがいない。
もちろん怖いおばさんは私。

なんで意味もなく動物を見るといじめるのかよくわからないけれど、日本の街猫は皆怯えている。
常に危険にさらされているようだ。
海外でこんな怯えた猫は見たことがない。
たいてい、ゆったりとその辺を歩いている。
トルコでは大きなひげ男たちが、道端に座っている猫の頭をなでていく。
猫も当然という顔をしてなでられていた。
宗教上の意味もあるらしいけれど、これは素敵な光景だった。
バンクーバーのスタンレー公園では、道端の水たまりでアライグマがなにかせっせと洗っていた。
そばを通る人たちにはごく当たり前の光景のようで、特別に反応しない。
リスが道路を横切る、特別急ぐ風もなく。

動物たちが怯えていないのが素敵なのだ。
我が家の近所で最近猫が殺されているので、警察が調べているそうなのだ。
本当に嫌な気持ちになる。
うちの野良たちも、私にはすっかりなついて抱っこされるまでになったのに、ある日をきっかけに怯えるようになった。
たぶん誰かにいじめられたのだと思う。
なぜ動物を見るといじめるのか、本当にわからない。
いじめると自分が偉くなったと思えるのか。
嫁を見るといじめたくなる姑みたいなものかしら。

ポニョの元飼い主さん。
優しそうな中年のおじさんは、ポニョの捕獲をしないと決めたらしい。
ミネラルたっぷりの野草を食べて幸せそうだからという気持ちらしいけれど、日本人の動物に対する態度を見ていると、私は心配でしかたがない。
わざと追いつめて線路に落とされたりしないといいけれど。
犬をしかけたりしないだろうか。
猫にひっかかれないだろうか。
ポニョの今後の幸せを祈っている。

















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