2010年10月13日水曜日

中国、チベット旅行記 その1 黄龍

朝6時シャトルバスで空港へ。国内線で九寨溝の空港へ向かう。空港には現地ガイドの劉さんとドライバー。劉さんは本当はチベット族なので別の名前だが、今は中国姓を名乗っているという。早速4000メートルの山越えが始まった。ドライバーはかつて、日本のドライバーがそうであったようにクラクションを鳴らし、はて、中国は左側通行だったかしらと思うほど、追い越しをかける。私も若い頃ものすごく無茶な運転をしていたので、気持ちは良くわかるし、リズムが良いので怖いとは感じない。ぐんぐん高くなっていく標高。今3000メートルとか4000メートルとか言われても、さほど体に影響はなさそう。チベット族の家がところどころに点在し、よく映像で見る色とりどりの布が、ロープに旗のように結び付けられている。日本のように紅葉や緑したたる山ではない。色合いの少ない景色に、それはハッとするほど鮮明に見える。道は一応舗装されているけれど、まだ工事中のところが多く、トラクターなどが無造作に放置してある。日本ならずいぶん手前から注意の看板があったり、信号があったりするが、そんなものは一切ない。カーブを曲がった途端、片側通行だったりするのを平然と追い越して行く。黄龍はぜひ行ってみたいところ。湖が段々になっていて、そのエメラルドグリーンの美しさは喩えようもない。しかし、やはり、標高が高すぎた。木の遊歩道の階段を登り始めると、激しい息切れがする。高山病の予防薬は前日から飲むように指示があったので、寝る前に飲んで、朝も飲んで出かけたのに、鏡で自分の顔を見た時、ぎょっとするほどの顔色で、手をみたら紫色をしている。しかも、激しい動悸はかつてなったことがないほどの心拍数。まるで、トレモロのようにヴィヴラートのように早い。これは危ない。しかもそのために持ってきたニトロは車の荷物の中。思わずへたり込む。ユックリ歩いてと言うのに、ガイドは若くて平気だから、どんどん登って行って時々待っている状態。つい無理して付いて行ってしまう。韓国のツアー客は皆手に酸素ボンベを持っている。エー、私にはないの?しかも、ろくすっぽ説明もなく、どうしてあんなに色が違うのという質問にも答えられない。なに、これは。早速怒りんぼの虫が疼いてくる。しかし、美しい。危険を犯しても見る価値は充分ある。そして頂上へ。一望すると、段々になった池がそれぞれ少しずつ色を変えて、全体としては澄み切ったエメラルドグリーン。降りて行くと曲がり角ごとに又池が現れ、色も微妙に違ってひっそりと静まり返っている。その夜は九寨溝泊まり。部屋は広くてきれいだけれど廊下が暗い。外で言い争いのような声が激しくして、恐ろしい。でも私の特技は、横になって暗くなると寝てしまうことなので、良く眠れた。

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