2011年2月26日土曜日

車椅子

渋谷の駅で電車待ちの列に車椅子の女性がいた。「乗るときお手伝いしましょうか?」と尋ねると、「いいえ、結構です。大丈夫です」と答える。車椅子をよく見ると大変立派な物で、タイヤもしっかりとした分厚いもの。そんじょそこらで見かける物とは大分違う。電車が入ってきて車椅子がどう動くのかみていると、まず前の部分がちょっと持ち上がり、そのまま溝や多少の段差もものとせず、するすると乗り込んでいった。ほう、すぐれものだわいとと感心していると私の所へ車掌さんが来て、彼女が降りるときに介添えをするように頼んできた。車椅子の人は大丈夫というし、私もさっきの動きをみていたから大丈夫のようだと答えた。降りる時もスルリと降りていった。場所は都立大学。高級住宅が建ち並ぶ。なるほど、さぞお高い物なのだろう。リカンベント自転車に乗れなくなって歩けなくなったら、高級車椅子を買おう。タイヤもスタッドレス履いたりして。雪の日もすべらず走れるものを。途中乗り換えで今度は目の不自由な人がいた。向かい側ホームに止まっている電車に乗り換える時、ドアの位置が違うので戸惑っていた。腕をとってドア位置を教え、座席に座るのを手伝った。少し前、盲目のご夫婦のご主人のほうがホームから転落して亡くなった、傷ましい事故があった。その時近くに人は居なかったのだろうか。危ないと思ったら走って行って止めるはず。それすら気がつかないほど他人に無関心になれるのが、不思議でならない。新幹線で、目の見えない外国人が立ち往生しているのに、だれも座席まで連れていってあげないので、私が手をひいてあげたこともあった。この国の人は単に恥ずかしがりというより、見ず知らずの人に冷たいのだなあ。どうして?

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