2011年7月8日金曜日

七夕コンサート

サントリーホールにて。
笹久保 伸            ギター
ゲザ・ホッス=レゴツキ     ヴァイオリン
小松亮太             バンドネオン

笹久保さんはペルーのアンデスで伝承音楽を採集して、それを元に演奏活動をしている。非常にデリケートかつ激しさを秘めた素晴らしいギタリスト。今日も恐ろしいほどの集中力で聴衆を魅了した。今日はケーナやサンポーニャの奏者と奥様のイルマさん(ペルーの歌姫と呼ばれる)も共演した。

ゲザさんはジプシー楽団(ヴァイオリン・ヴィオラ・クラリネット・ツィンバロン・コントラバス)をバックに目も覚めるような演奏。信じられないテンポの速さ、そしておしまいにヴィオラ奏者が女性ダンサーとダンスを踊るおまけつきで満場の喝采を受けた。それまでバンプばかり弾いていてなんのメロディーも弾いていないヴィオラはヒマそうだなと思っていたら、どうしてダンスの腕(足?)前は素晴らしい。

小松亮太さんはオルケスタ・ティピカ(ピアノ・ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・バンドネオン)を率いての登場。ゲスト歌手に中鉢聡・シャンティ・そしてブエノスアイレスのタンゴダンスコンクールで初の外国人としてチャンピオンになったHirosi&Kyokoが共演。タンゴダンスは実際に見たのは初めて。本当に色っぽい。しかも格調高い。不思議な体験だった。中鉢さんは声も風采も素晴らしく、歌い手になるために生まれてきた人の感がある。

とてもバラエティーに富んだ出演者とプログラムにひかれてチケットを買ったけれど、やはり私はクラシック以外のコンサートは退屈でいけない。途中で飽きてしまった。笹久保・ゲザさんまでのプログラムで十分。どうしてなのか。クラシックを聴いた後の深い充実感が残らない。余韻を楽しみながらブラブラ歩いて帰りたいなどという気持ちにもならず、さっさと帰ってきてしまった。私は音楽のジャンルに関して、偏見は少ない方だとおもっている。でも、実際はクラシック以外の音楽では満足できない。聴く脳の部野が違うのではないかと、いつも思っている。自分もさんざんこの分野でも仕事させてもらっていたのに、この冷たさはなんだ。クラシックを聞いた時の脳の底深くまで下りていく感じを味わってしまった者にとっては、あまりにも表面的な快楽に思えてしまうのだろうか。とするとクラシック音楽は麻薬みたいなものかもしれない。

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