2011年7月26日火曜日

音は軽井沢に

どうやら私のヴァイオリンは軽井沢の家に音を置いてきてしまったようだ。自宅に戻って音を出してみると、ん、全然違う。ノンちゃんの家で弾いたときは、あんなにいい音だったのに。すっかりこもってしまっている。ノン家は天井の高い、壁は木の家。我が家も新築するときに、木の壁にしてほしいと言ったら、なんだかんだで、木の壁紙にされてしまった。初めのうちはそれでもいい音が出たのに、最近荷物が増え始めたら、なんだかいい音がしない。ためしにでーんと居座って居る、でかい革張りの椅子を外に出したら、それだけで音が良くなる。いつの間にたまった荷物が音を吸ってしまって、最近はこの部屋で良い音が出たためしがない。それがノン家では低音がズシーンと響き、それはそれは心地よい。ヴァイオリンはそれ自体は小さい楽器だけれど、壁や天井や建物自体に反響して、音が出来上がっていく。だから周りの環境を味方につけないと、死んだ音になってしまう。部屋を見回すと、あるはあるは、旅行用のスーツケースが3個、パソコンの必需品が詰まった段ボール箱。本。ピアノの上に楽譜の山。楽器のケースのいらないものが山積みされている。これはもう倉庫状態だと気が付いた。物置の鍵が壊れていて使えなくなっている。早急に物置を買ってガラクタを移してしまおう。そうでないと、私の音はいつまでもノンちゃんから離れないで、あのうちに留まってしまう。私がこちらからせっせと通えばいいけれど、そうもいかないからこれは急を要する。いままでどうして気がつかなかったのだろうか。雑木林の中のあの家に目を覚まされた。

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