2011年12月14日水曜日

ヴィオラは歌う

もう人前で弾くこともないだろうと思っていたかわいそうな私のヴィオラ。久しぶりに日の目を見ることとなったのはいいのだが、拗ねてしまったか、鳴らない。原因は絃が変わったことと、ほったらかしにしてあったこと。弦は以前ガット弦のオイドクサーを使っていた。ところがこの頃この絃は評判が悪く、扱っている楽器店が少ない。品質が極端に落ちたそうで、急に巻き(ガット弦は羊の腸に銀の細い糸が巻いてあるもの)が緩んだり、根元から切れたりするそうなので、怖くてつかえない。でも、この楽器には一番よくフィットしていたのに。それで今はドミナントを使っているが、やはり音質がいまいち。初めはオリーブを張ってみた。一番低い絃が非常に張りが強すぎて手こずっていたので、またドミナントに逆戻り。そうこうしているうちにやっと音色が替わってきて、昨日初めて楽に弾けるようになってきた。楽器が鳴り出せばもう力まなくていい。ほんの少しの力で響き始める。私のように手足が短く非力な者でも、楽器はのびやかに歌ってくれる。驚いたのはコルセットの影響だった。用心のためにほとんどコルセットを着けて生活している。腰や足の状態はそのほうが楽だし、着けていてもなんの支障もないと思っていた。ところが練習に入るとどうも体が思うように動かない。試しに取り外して弾いてみた。なんと!!!音が変わる。これほど体と楽器は関係が深い。体のどこかが固定されてしまうと、全体の動きに影響することは楽器を弾く動きにも影響するということで、どれだけ全身運動なのか良くわかるというもの。もちろん呼吸にも作用するだろうし、体調がいかに楽器にも影響するかは知れ渡ってはいるが、こんな小さなことでも違いが出るとは!本当に体は大事にしないといけないと痛感した。顔が多少難ありでも、頭が少しごめんなさいでも、体は丈夫でないと。でもその体もあまり丈夫ではないから、ほとんどいいとこなし。ああ、本当に残念!ヴィオラちゃん、ひとつ頼みますよ。あなただけが頼りなんだから。

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