2011年12月5日月曜日

残響

昨日まで音が溢れていた私のレッスン室が静かになってしまった。今日は腰のためにコルセットを作る予約の日。病院に行く前に少しヴァイオリンを弾いた。なんだかまだ部屋の壁に昨日までの残響が残っているようで、弾いているとあの音がするような気がする。自分の中にイメージが浮かんでくると、不思議にそれに近い音が出る。楽器自体は2週間ほど前のとてつもない嵐の日に傘が壊れて、猛烈な雨の中を数十メートル傘なしで走ったので、その日から鳴らなくなっていた。そのあと調整に出そうと思っても、ヴィオラを弾いたり足がしびれて歩かなかったりで、楽器屋さんに行く暇がなかった。ひょっとしたら、どこかに剥がれが出来たかもしれない。とにかく立っていることができないので、もちろん歩けないから、修理にもだせない。その鳴りの悪い楽器でも、音は明らかに違う。目の当たりでものすごい音を聞いたのが作用しているにちがいない。今日は晴れわたって暖かい日差しが満ち溢れ、絶好の自転車日和。歩けないけれど自転車は大丈夫。お昼過ぎの予約だったので昼食を済ませて出かけた。少し距離はあるが、まず大丈夫だろうと鼻歌交じりにでかけた。口笛で「展覧会の絵」のプロムナードを吹いてご機嫌。病院は高台にあるので少しきつい坂を上らなければならない。一番緩やかなコースを登るつもりでいたのに、その脇を通る最短距離の一番きつい坂をみたとたん、ムラムラっと来た。あんな長い迂回路を通るよりは、きついけれど短いこの道を行った方がすぐに坂が終わるからこちらにしよう。自転車を降りて押しながら登る、かなりの勾配なので自転車は重く、足をふんばらなければならない。心臓はドキドキ息はハアハア、母が入院していた頃は早く病院に着きたくてこの道を必死で上ったことを思い出す。でもあれから十数年、それだけ年をとったのを忘れていた。息切れすると人間ドックで不整脈があると言われたのを思い出す。何回も休み休みして、これでは迂回路の方が早かったかと苦笑した。コルセットを作るには体中にラップを巻いて、その上から包帯を巻いて石膏で固める。あっという間に石膏が固まって、グロテスクな私のお腹の型がとれた。衣服の上からではあるが、なるべく正確に寸法を合わせるために、腿のところまで下着にならなければいけない。そういわれて思った。しまった!今日は勝負下着をつけてこなかった。アハハ、下品ですみません。
そしてせっかちのツケが回ってきて、足はまたしびれがひどくなってしまった。

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