2011年12月26日月曜日
ウー寒すぎる。
昨日の夜の「第九」は下高井戸の住人に聴かせるためのもので、会場は地元松沢小学校の小アリーナ。半地下になっていて、窓を開けるとちょうど大人の上半身が表の地面の高さになる。その表の地面に観客用の椅子が並べられ、演奏は半地下で窓を開けて行う。この寒いのに窓をあけて・・・。想像もつかなかったけれど、昼間のクラシックパーティーが終わってから駆け付けた。すでに練習は終わりころだったので、最後の数ページだけ弾いて本番を迎えた。カジュアルなコンサートだから服装は自由、上に(しもたかフィル)のTシャツを着ることだけが条件になっている。足元はストッキングの上から分厚いソックス、腰に貼るカイロ、指の出る手袋、首にスカーフ、頭に帽子とおよそ演奏会らしからぬ装いで臨む。会場の外には開演前からダウンコートにくるまった人たちが椅子に座っている。お年寄りや子供たち、1時間近く我慢できるのだろうか。それよりも演奏するこちら側の心配は、冷えでお腹が痛くなったり、指が回らなくなったりしないだろうか。開演直前、大きな窓が全開となると、冷たい空気が流れ込む。その時点ではまだ気持ちが良いと思える。シュトラウスのポルカとワルツが終わり「第九」のソリスト、コーラスが入場、おやおや、コーラスは白いブラウスにロングスカートの正装、ソリストも長袖のイブニング。もうこの頃には私たちの指は真っ赤になっていた。となりの痩せた男性が震えているので、張っていたカイロをはがして貸してあげる。私は寒いのは嫌いではない。いつも雪山で氷点下の気温で遊んでいるのだから、このくらいの寒さはものともしないけれど、やはり楽器を弾くにはふさわしくない。でも人間は意識を集中させるとほかのことは気にならなくなるという能力がある。楽譜を追っている間は寒くない。終わってどれだけ冷えていたかが急に実感される。打ち上げでは珍しく熱燗の日本酒を飲んで、よっぱらって帰ってきた。
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