2011年12月9日金曜日

珍事

すでにツアーに入っているロンドンアンサンブルの今日は東神奈川かなっくホールでのコンサート。ご招待いただいて客席で聴いた。初めにアルビノー二の「アダージオ」東日本大震災の被災者に捧げる一曲目。いつ始まったかわからないくらいの超弱音で始まる。美しいハーモニー。それだけでもうウルウル。だめだ、これは、今日は泣いてしまう。でも二曲目は明るいモーツァルト「フルート四重奏」そこからはパガニーニ「モーゼ変奏曲」ラフマニノフのトリオ二曲、リチャードの尺八!で「雲井獅子」サラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」リスト「愛の夢」おしまいにムソルグスキー「展覧会の絵」アンコールにブラームス「ハンガリアンダンス1番」
事件が起きたのはタマーシュが滔々とツィゴイネルワイゼンのスローな部分を歌い上げ、繰り返しをちょっと間違えたのはご愛嬌のうち。多少集中力が揺らいだけれど、そのあとはさらに調子が上がって見事に歌い上げ、そして、待ってました!狂ったように早くなってあとひとくだりと言うところで、急に音程が外れたと思ったら、止まってしまい調弦を始めた。巻きがもどってしまったのだ。最後の最後なのに惜しい!でも慌てず騒がず彼は途中から弾きなおして拍手喝采だった。こんなこともあるから、本番はおそろしい。パガニーニの「モーゼ」は元はヴァイオリンの曲。それをチェロで弾くのだから超絶技巧なのを、古典音楽協会のチェリスト、重松さんは見事に弾いてのけた。本当に上手い。物静かな性格だから普段は淡々としているが、どうしてどうして、骨太の演奏だった。あとちょうど一週間後に私が加わる小田原の分の練習がはじまる。チェロは今イギリスで大人気だそうな、トーマス、そしてヴァイオリンはシカゴで活躍している日本人の志帆さん。この私はどこでも活躍していないし人気もない。まあいいでしょう。上手な人に挟まれてズルズルとひきずられていればいいのだから。2時間余り座席に座っていると足が少し痺れてきた。まだ完全ではないけれど、ずいぶん良くなった。

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