2012年7月18日水曜日

生真面目な人々

私の友人たちはいつもなにかに駆り立てられているように勉強している。常に練習、語学の勉強、おしゃれで生真面目。その中にぽつんと異分子である私がいて、ズルズルと彼女らに引きずられてようやくついて行く。今日はその中でも一段と全身生真面目がピアノを弾いているような野村アキさんが出演するコンサート。彼女と彼女のお弟子さんの村上さん、そして先日の砂川さんとそのお弟子さんの勝沼さん。音友ホール。モーツァルト「ピアノトリオ2番」ブラームス「ヴァイオリンソナタ2番」ショパン「チェロソナタ」シューベルト「鱒」より抜粋。今日もワルシャワフィルのメンバーの共演。彼らは音が良い。音楽もいい。だけど、あくまでも出稼ぎの感が否めない。だって、こんな大曲揃いで初めて会う相手で、アンサンブルとして意味を成すのかどうか。企画したのはどこのだれ?日本人はいまや世界の最高峰のベルリンフィルのコンサートマスターにもなれる実力を持っている。チャイコフスキーコンクールに優勝している。今回共演してくれたヴィオラの東さんだって「プリムローズ賞」を受賞している。ベルリンフィルクラスだと海外に居て戻ってこないけれど、いまや大学生の中にも素晴らしくうまいのがゴロゴロいる。彼らを育てる意味でも、じっくりと練習を重ねて本番に持っていくことこそ大事なのではないかと思う。今日もチェリストは小ばかにしたような態度で、椅子を足で蹴って動かしたりしていた。わが野村女史は対等に渡り合って、目の覚めるようなショパンだったけれど、チェロが意地悪く、どんどん先に行ってしまったという。幸い彼女は沢山練習に付き合ってくれた相棒がいて、曲の隅々まで熟知していたので、全く動じなかった。えらい!そして砂川さんは先日のコンサートですっかりお疲れになってしまったらしく、今日は鱒の3楽章と、ドヴォルザークの「わが母の教えたまいし歌」の2曲で終わってしまった。高齢の上にあまりにも周りのことに気を遣いすぎる。私たちが弾くことに専念なさってくださいとお願いしても、お茶をお出しして、お食事はいかが、などと絶えず聞いてくださる。そんなことどうでもいいのに。周りの人を幸せにしたいのね。音楽にもよく表れているけれど、今回はなんだかお気の毒のような気がした。企画そのものが杜撰すぎて。

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