2012年7月10日火曜日

肉食系熟女

つらつらタイトルを眺めるとなんかすごい。日活ロマンポルノの題名みたい。でも、れっきとした芸術家の事を言おうとおもっているのです。もっとも芸術家なんてのは大半が色気と食い気がからまって出来上がっているから、そう関連性が無いとは言えないけれど。このところコンサートの練習のお付き合いをしているピアニストの砂川啓子さん。間もなく傘寿にさしかかろうというお年にもかかわらず、素晴らしいピアノをお弾きになる。素晴らしいと言うのはピアノを超越した音楽がすばらしい。こういう抽象的な言い方は好きではないけれど、楽器のジャンルを超えた歌心を持っていると言えばおわかりでしょうか。だから一緒に弾いていても、ピアノとヴァイオリンが演奏しているということではなく、二つの旋律が融合して一つになると言う感覚が味わえる。中々こういう体験は得がたいと思う。かつて、イエルク・デムスとウイーンフィルアンサンブルで聴いたシューベルト「鱒」。この時はやはりピアノと絃が見事に溶け合っていた。そんなことを思い出させるようなピアノの音色で、頸椎を痛めて手が動かないと言いながらも、一つ一つのフレーズが浮き彫りにされ、相手の音も隅々まで聞く耳を持っておられるから、こちらも弾きやすいことこの上もない。アンサンブルをするために生まれてきたような人。その砂川さんの元気の素は食にありとみた。高齢になれば大抵の人は食が細くなる。現に私も最近はすこしでも食べすぎると胃腸がもたれ、あんなに食べなければよかったと後悔することが多い。しかし、砂川さんは一日おきにトンカツを食べないといられないとおっしゃるのには仰天した。練習のためにお宅に伺うとどっさりと食べ物が用意されている。しかし、私はダイエット中だから・・・と思ってもあまりにもおいしそうなので、つい手が出てしまう。体調が万全ではないのにこれだけのプログラムをこなせるのは肉食が出来る頑丈な肉体と精神、音楽への深い愛情があるからなのだ。

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