今日4人の男女が訪れてきた。渋谷の音楽教室「ルフォスタ」の古くからの生徒のМさん、その次に古いSさん、男性のNさん、皆最近まで教えていた人たち。そしてヴァイオリン製作者を目指して勉強中のAさん。夕方5時ころに現れてビールで乾杯。Aさんがイタリアのヴァイオリン制作の学校に受かったお祝いもかねている。この人たちは今はそれぞれの事情で、教室には来ていないが、時々こうして集まってくれる。Мさんは酒豪で、女だてらにぐいぐい豪快に飲む。その彼女も最近は少しお酒に弱くなったのだろうか、どうやって家に帰ったか覚えていないなどと、恐ろしいことを言うようになった。多少薹がたったとはいえ、未婚で若い女性だから心配している。建築士として活躍してきたので、仕事も飲むことも男性と対等にやってきたのだろう。だいぶ前だけど、うちにご機嫌で飲んでいる彼女を含めた3人(そのうち2人は男性)を残して仕事に出かけた。仕事を終わって帰ってくると玄関に1升ビンがゴロンと2本転がっていた。3人でビール+2升+α、一人平均7合強が飲みほされていた。そのくらい強くて、酔いつぶれた若い男性の面倒をみて連れ帰ってくれたりしていたのに、昨日は周りから面倒みられていた。そろそろ面倒見の良いボーイフレンドでも一緒に連れてきてもらいたいものだと期待している。キャリアもあり酒豪でもあると並の男性ではかなわないかもしれない。そこがネックなのだ。ヴァイオリン制作者のAさんはイタリアへの憧れと不安を語っていた。未知の世界に飛び込むには勇気がいる。自分が果たしてこの道でやっていけるのだろうかと心配するのは当然だけど、だからといってほかのことをやる気がないなら進むっきゃない。本当に好きなのがヴァイオリン制作だというから、好きなことだけやっていなさいと、とんでもないアドバイスをする。飢え死にしたって納得した人生になるはずだから。好きなことのためにはなんだってできる。試験に受かったのに不安で浮かない顔をしている。それはそう、気持ちは痛いほどよくわかる。Sさんは転職を重ねてしばらく休職状態だったのが、このたび国立の機関に就職できたのが今日のお祝いのメインの理由で、パソコンのスキルや事務能力も突出しているようだ。その腕を買われてこのたびの就職。こんな不景気な時に中途採用されるとは中々できるものではない。自分の能力が最大に生かせるところにこだわって、途中で誘いを受けた仕事も断って我慢して掴んだ粘り強さには感心した。もう一人のNさんは銀行マン。と言っても聞いてもよくわからないが、普通の銀行業務ではなく企業の経営に関するものらしい。これも激務らしく、たびたび寝坊してレッスンに遅刻。ほとんど休日は起きられないようだ。それでも、この曲が弾きたいと言って分不相応な曲を弾きたがる。基礎的な練習もしないのに、発表会までにはなんとか形をつけてしまうのが恐ろしい。出来栄えはよくないけれど、その一生懸命さが心を打つらしく、評判はいい。ただ、今は仕事で出張ばかりでヴァイオリンを弾いているひまはないからお休み。一番働き盛りの人たちだからレッスンにくる余裕はないけれど、定年退職した後にまたヴァイオリンを思い出して弾いてくれることを期待している。その時にはAさんの作ったヴァイオリンで合奏でもしてくれたらうれしいなあ。
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