2014年7月12日土曜日

映画「パガニーニ」

主演、制作、総指揮、音楽 デイヴィッド・ギャレット

恥ずかしながら私はデイヴィッド・ギャレットを聴いたこともなかった。これほどの凄腕とは!
まさにパガニーニもかくやとばかりの演奏。
しかもセクシー。
映画が始まって前半は演奏も少なく、少々退屈だった。
2流の映画を見に来てしまったなと、得意の昼寝に走ろうと思ったけれど、演奏の場面が多くなるとだんだん興奮してきて、寝るどころではなくなった。
音楽映画には「アマデウス」のような超一流映画もあるけれど、それに比べて出来の良い方ではないと多寡をくくっていた。
しかし、ヴァイオリンのもっとも魅力的な部分が良く表現されていて、さすがヴァイオリン弾きの作った映画はひと味違う。
音楽映画は沢山あるけれど、実際に演奏家が主役を務めることは普通ないから、演奏の場面になるとやはりぎこちなさが目につく。
しかし、デイヴィッド・ギャレットは目も醒めるようなテクニックと蕩けるような音の持ち主だった。
パガニーニが不道徳でも女誑しでもかまわない。
ヴァイオリンを弾く男達は、たいていそうと相場がきまっている。
大体現代の科学をもってしても、ストラディバリウスのような楽器が再製できないなんて、不思議じゃないですか?
そんな狂気に充ちた楽器を弾く天才に、普通の人としての基準を当てはめるのは、無理がある。
この映画でも、放蕩三昧だったパガニーニが純愛に陥る設定があるけれど、私からみれば、あってなくてもよろしい。
ずっと奇人変人の方が面白い。
あの神の子モーツァルトだって音楽とはかけ離れた、下品で卑猥な人だったらしいから。
芸術作品はそれのみで評価されればいい。

澁谷文化村「ル・シネマ」


















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