2014年7月9日水曜日

松本組は又も集会

もう何回も書いたけれど・・・

外山滋さん率いるアマデウス室内合奏団で、かつて一緒に仕事をした仲間達。
ある年1週間ほど、松本に滞在して毎日演奏した。
その時のメンバーがあまりにも気が合って、生涯で最高の時間を過ごしたと言えるくらい楽しかった。
演奏も遊びも毎日がわくわくして、今でも語りぐさ。
その後二昔くらいは経っているのに、未だにその時の話が尽きない。

外山さんは残念なことに、最近亡くなられた。
亡くなる1年ほど前に明石のお宅にお邪魔して、まだまだお元気そうだったのに、それが最後となってしまった。
音楽家の命である耳をこわし、不遇な晩年だったけれど、ヴァイオリンにかける情熱は迸るようだった。
「ほらね、僕の親指はこんな風に出てるでしょう。だからね・・・」と夢中になって子供の様に嬉しそうにお話をした。
彼も松本のコンサートが忘れられず、もう一度あのメンバーで演奏したいと亡くなるまでおっしゃっていたという。
まだ皆それぞれの仕事で忙しく、実現出来なかったのが返す返すも残念だった。
最近暇になって時間が取れるようになってきたメンバーが集まって、外山さんを偲んでいる。
日本の生んだ世界的なヴァイオリニストで、国際コンクールの審査員までなさった栄光の人生は耳の故障で挫折に追い込まれたけれど、誰に対しても謙虚で優しかったお人柄は、私たちの思い出の中で生き続けている。

その思い出のメンバーが、時々集まって食事をしている。
コンサートミストレスの北川靖子さん、ヴィオラの荒木信子さんは共に外山さんの大のお気に入りで、彼女達がいると外山さんは本当に嬉しそうだった。
松山でのコンサートの時だったけれど、ホテルのロビーで夜中に皆で車座になってアイスクリームをかじりながら、その中で夢中でお話をしている外山さん。
次々に面白いエピソードが飛び出す。
泉の様に話題が湧いてくる。

今日は四谷のフレンチ「テート・ア・テート」
先日弥生人の美智子さんに連れて行ってもらい気に入ったので、今回は私がみなさんをお連れした。
メンバーが1人入れ替わったけれど、前回と同じ5人。
北川さんは病気でかなり痩せたけれど、すでにお姉様の北川暁子さんと、デュオのコンサートも始めている。
先日はバルトークのソナタなどを好演。
健在ぶりが見られてよかった。

いくつになっても松本の思い出は色褪せない。
こういう思い出が1つでもあるということは、あとの人生ヒッチャカメッチャカでも、充分報われたと思っている。








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