当日の朝は昨日までの土砂降りがやんで、日が射してきた。
ヴィオラの太田さんと私は常に晴れ女と自負してきたが、このダブル晴れ女の霊験も怪しくなってきた矢先だったので、喜んだ。
ところが、会場入り頃には又も土砂降りとなってしまった。
この辺鄙なところにある会場は駅からも遠く、その駅にはタクシーも停まっていない。
駅員すらいない無人駅なのだ。
その上、会場に入る道は、車がすれ違うのも困難なほどの山道。
聴きにきて下さる人達は、この雨では難儀するに違いない。
それでも蓋を開けてみると、会場いっぱいのお客様。
軽井沢や高根町からも駆けつけてくださった。
小さなホールだから、聴いている人達と演奏者の距離が近い。
なんとも言えない暖かな雰囲気が漂っているので、普段都内などで弾く時の緊張感はあまりない。
その代わり曲が進むにつれて、聴く人達の呼吸まで手にとるように感じられて、最後は会場が一体となって歌っているような、なんとも言えない高揚感があった。
いつも思うのは、演奏は楽器を弾いている人達だけで、作るのではないということ。
受け止めて感情の波を送ってくれる人達の呼吸を感じ、それを又返すという作業がよい演奏を生み出す。
今回のお客さまは最高だった。
セミナーハウスで打ち上げをして、それぞれ帰る人残る人、この演奏会が終ると間もなく秋。
この後もう一度、別のメンバーでシューマン「ピアノ5重奏」
そして、ブラームス「ソナタ三番」
新潟でベートーヴェン「ピアノトリオ街の歌」
オーケストラで八ヶ岳音楽祭に参加、その頃にはすっかり涼しくなって冬の訪れを待つ。
12月にはロンドンアンサンブルがやってくる。
彼らとの再会を楽しみにしている。
こうして一つずつ丁寧に消しゴムで消すように、私の人生から時間が消えていく。
来年の今頃、まだヴァイオリンが弾けているのだろうか。
でも少なくとも約束があるので、来年の5月の「大公トリオ」を弾くまでは頑張らないといけない。
そんな、「私の人生から時間が消えていく」なんて、どうしちゃったんですか。元気だして毒舌全開してくれないと、nekotamaさんらしくないですよ。(^^)
返信削除ところで、最近面白い映画みました。なんとなく主人公が、nekotamaさんを思い出させました。(nekotamaさんはあんなにおばあさんしてないですが、いいたいことを何でもいって周りを困らせるところ似ています) 韓国のキュートなコメディ映画で、今週いっぱいくらいはやっています。
「怪しい彼女」
http://movies.yahoo.co.jp/movie/%E6%80%AA%E3%81%97%E3%81%84%E5%BD%BC%E5%A5%B3/348826/schedule/
怪しいというのが気に入った。よっしゃあ!!がんばろう。
返信削除いささか夏の疲れが出ました。
とにかく夏は私の一番嫌いな季節でして。
うわー、映画、今週いっぱいですか。
私は明後日から又都落ちなんです。
今度は軽井沢の友人の家でまったりする魂胆です。
どんな映画なのかなあ。
言っときますが、私完全におばあさんです。
なーに、言ってるんですか、nekotamaさんは現役のプロのバイオリニストじゃないですか。ゲージュツ家に歳は関係ないですよ。 その音に感動する人がいる限り青春ですよ。
返信削除nyarcil
返信削除さんは優しい(涙)